母の看取り・3-1 ~塩と水で安らかに逝った母へ~

 大動脈解離から急性胆嚢炎、腎不全と症状が悪化し、片側しか腎臓しかなかったために病院での透析治療は断って在宅介護に切り替えた83歳の母。

 在宅介護の主目的は「安楽な最期を家族と共に迎える」というものだったのでしが、退院から10日たった現在、入院中まったくでなかったお小水は逆に頻尿気味と思えるほど排出され、3cmほどたまっていた胸水も本日往診のT先生に診ていただいたところ量が1cmと減り、呼吸音も正常に近づいてきているということです。

 先生曰く「どうしてかはわからないが、良くなっています。」ということで、まだまだ安心はできないものの、最後の日は少し遠のいてくれたようです。

 私の仕事がノートパソコンさえあればなんとかなるものだったので、看護を2週間にわたり続けてこれたが、メインPCでなければできない仕事がたまってきたため、事務所がある横浜にいったん引き上げることにしました。

来週からの訪問看護とヘルパーさんのローテーションも組み上げ、自分がいなくても在宅看護ができる体制を一応整えたこともいったん帰宅の後押しをしてくれました。看護師さんとヘルパーさんには感謝しかありません。

10日前、病院での利尿剤がまったく効かずに、足も手もパンパンに張れたまま退院せざるを得なかった状況から、今をみれば「奇跡が起こった。」と思ったのでしょうが、一進一退しながら回復へと舵をきったかに思われる流れは必然のようにも感じています。

不思議なことに甘党だった母が、まるっきり甘いものを受けつけなくなりました。甘い匂いが気持ち悪く、砂糖やわずかでも添加物が入った食物は受けつけずに吐き出すようになり、そうめんの種類のわずかな違いさえも感じ取るようになり、オーガニックな食材をシンプルに味付けしたもの、特に梅やレモンのような酸っぱいもの、上質なお塩の塩気、天然ダシのうま味を美味しく感じるようです。

母の体自体が生きるために必要な食材を野生動物のようにかぎ分けているのではないだろうか・・・

「死にかけて、舌が一流シェフの舌になったんじゃないか。」と冗談も言えるようになりました。

 食事療法の世界では、白砂糖は避けなさいという通説がある事は知ってはいたのですが、実際に母の反応をみて、この説はやはりなんらか正しいものがあるのだろうと確信しています。

 塩と食事療法の師匠であるユージェル氏からは、体の水を排出するには塩。血圧を下げるには「レモン!レモン!レモン!」と教えられ、飲みやすい九州産の軟水にオーガニックのレモンを絞り、これにわずかにクリスタル岩塩をいれて与えています。

塩のナトリウムとレモンのカリウムのバランスがとれたオーガニックなスポーツ飲料みたいなものです。

母いわく、これを飲むとオシッコがですぎるので夜飲むのは控えたいらしい・・ 

夜中にベッドからオシッコに行くのに体力を使い、頻脈になって苦しくなることがあったので、レモン塩水は飲むタイミングや量を調整する必要はありそうです。

また、レンタルしたベッドマットが寝たきり重病人用のウォーターマットだったため、肥満体の母にとって体を起こすのが一苦労だったことも頻脈の一因となっていたので、動きやすい固めのマットに交換していただくようお願いをしました。

 重病人用のウォーターマットから回復用の固いマットに交換することに、驚いたように営業マンが「本当に良かったですね。」と言うので、珍しい例なのでしょう。 

母は往診してくれるT先生が大のお気に入りになったようで、先生の言う事はなんでも聞くとも言うし・・

ビデオ電話で話したユージェルさんも素敵よね、あの人なら騙されてもいいわとも言うし・・

なるべく服薬は避けてほしい自分としては、微妙ですが、

今のところT先生が処方してくれる薬は最小限のもので、それが母の不快感を軽減させているのも確かなので、もうすこし両輪をまわしていくしかないのかな。と、今は思っています。

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