えらいて、おひとり様メーカーは。
朝ドラ「半分、青い」にハマっている。主人公、スズメの打たれ強さ、天然系の明るさに毎朝、勇気をいただいている。
主人公の成長過程と時代が、ほぼ塩Gの育ってきたものと合致するのもハマっている理由の一つかもしれない。のどかな小学校時代、バブルの青春期、そして現在はバブル後の停滞期にスズメはいる。
スズメは「いいもの」を資質としてもっていて頑張って生きている。漫画の道や、飲食店経営でもいいところまで行く。でも、まだこれが「天命!」というものには巡り合ってはいない。今、スズメは「シェアオフィス」で「おひとり様メーカー」としてカツカツの暮らしを立てている。この「おひとり様メーカー」がスズメの天命なのだろうか?いよいよドラマは最終章に入っていく。
脚本家はよく時代の流れをみていて、時代の空気が色濃くでるシチュエーションをうまく使っている。バブル後の章で、シェアオフィスを取り上げてくれたのは、自分も同じような環境で仕事をしているので嬉しかった。
【写真】塩Gが通う「シードハウス湘南台」。映っているのは源気商會のデザイン業務をお願いしているGOROちゃん。彼もおひとり様メーカーだ。
おひとり様メーカーの面白さや可能性に触れながら、きっちりリスクについても描き、陰影をつけているのも素晴らしい。昨日は、一流企業を退職して起業しようとする幼馴染のリツに「それはやめておけ」というスズメがいた。塩Gも同感だった。
基本的におひとり様メーカーは超零細だ。保証はない。売れなければ明日はない。仕方なく、もう後がないという者が選ぶ道という一面がある。
自己実現とか、夢を追うための起業はなかなかに苦しいはずだ。理想と現実は常に乖離しており、一流企業から零細への転身は難しい。
スズメの言うように、「自分には何もないからこれができるのだ。」は真実だ。と、思う。
「もう少しで、作りたいものが見つかるはず。」と言っているリツ君では、前途は多難だろう。
しかし、二人でメーカーなら、可能性はグンと広がる。猪突猛進で営業力もありそうなスズメと、きっちりと計算ができそうなリツ君はいいコンビになるだろう。意見の相違で常に喧嘩がちになりそうだが、なんとか生き延びていきそうな感じがある。
周到な脚本家はこのゴールを用意するために、今、二人を対立させて、おひとり様メーカーの光と影を描いているのでは・・・。
えらいて、おひとり様メーカーは。
エライとは岐阜弁では「つらい、とか、苦しい」という意味だ。
その逆のいいこともある事は確か。頑張れ!スズメ、リツ、そして俺。