母の終活9 いったん横浜へ

 

大動脈解離から急性胆嚢炎、腎不全と症状が悪化し、片側しか腎臓しかなかったために病院での透析治療は断って在宅介護に切り替えた83歳の母。

 

在宅介護の主目的は「安楽な最期を家族と共に迎える」というものだったのだが、退院から10日たった現在、入院中まったくでなかったお小水は逆に頻尿気味と思えるほどジャブジャブと排出され、3cmほどたまっていた胸水も本日往診のT先生に診ていただいたところ量が1cmと減り、呼吸音も正常に近づいてきているということだ。

 

先生曰く「どうしてかはわからないが、良くなっています。」ということで、まだまだ安心はできないものの、最後の日は少し遠のいてくれたようだ。

 

私の仕事がノートパソコンさえあればなんとかなるものだったので、看護を2週間にわたり続けてこれたが、メインPCでなければできない仕事がたまってきたため、事務所がある横浜にいったん引き上げることにした。

 

来週からの訪問看護とヘルパーさんのローテーションも組み上げ、自分がいなくても在宅看護ができる体制を一応整えたこともいったん帰宅の後押しをしてくれた。

 

10日前、今の状況が眼前にあれば「奇跡が起こった。」と思っただろうが、一進一退しながら回復へと舵をきったかに思われる流れは必然のようにも感じる。

不思議なことに甘党だった母が、まるっきり甘いものを受けつけなくなった。甘い匂いが気持ち悪く、砂糖やわずかでも添加物が入った食物は受けつけずに吐き出すようになった。そうめんの種類のわずかな違いさえも感じ取るようになり、オーガニックな食材をシンプルに味付けしたもの、特に梅やレモンのような酸っぱいもの、上質なお塩の塩気、天然ダシのうま味を美味しく感じるようだ。

母の体自体が生きるために必要な食材を野生動物のようにかぎ分けているのではないだろうか。「死にかけて、舌が一流シェフの舌になったんじゃないか。」と冗談を言っている。

 

食事療法の世界では、白砂糖は避けなさいという通説がある事は知ってはいたのだが、実際に母の反応をみて、この説はやはりなんらか正しいものがあるのだろうと確信した。

 

塩と食事療法の師匠であるユージェル氏からは、体の水を排出するには塩。血圧を下げるには「レモン!レモン!レモン!」と教えられ、飲みやすい九州産の軟水にオーガニックのレモンを絞り、これにわずかにクリスタル岩塩をいれて与えている。塩のナトリウムとレモンのカリウムのバランスがとれたオーガニックなスポーツ飲料みたいなものだ。

 

母いわく、これを飲むとオシッコがですぎるので夜飲むのは控えたいらしい。

 

夜中にベッドからオシッコに行くのに体力を使い、頻脈になって苦しくなることがあったので、レモン塩水は飲むタイミングや量を調整する必要はありそうだ。また、レンタルしたベッドマットが寝たきり重病人用のウォーターマットだったため、肥満体の母にとって体を起こすのが一苦労だったことも頻脈の一因となっていたので、動きやすい固めのマットに交換していただくようお願いをした。

 

重病人用のウォーターマットから回復用の固いマットに交換することに、驚いたように営業マンが「本当に良かったですね。」と言うので、珍しい例なのだろう。

 

母は往診してくれるT先生が大のお気に入りになったようで、先生の言う事はなんでも聞くとも言うし、ビデオ電話で話したユージェルさんも素敵よね、あの人なら騙されてもいいわとも言うし、なるべく服薬は避けてほしい自分としては、うーん。どっちなんじゃい。という感は否めないのだが、今のところT先生が処方してくれる薬は最小限のもので、それが母の不快感を軽減させているのも確かなので、もうすこし両輪をまわしていくしかないのかな。と、今は思っている。