日日是好日

母の死から10日、横浜に帰り仕事に精を出していると言いたいところだが、気持ちが乗らない日が続いた。

昨日2月11日の建国記念日。自営業にとって飛び石の旗日の過ごし方には匙加減が必要だ。電話や問い合わせも少なくなるので溜まった仕事を集中して片付けられる好機でもあるのだが、あまり精を出しすぎると自営業であることが虚しく思える夕暮れを迎えてしまう。

午前中に溜った経理仕事を片付け、午後からは家族が誰もいないことをいいことにAmazonプライム三昧としてよいと自分に許可をだすことにした。
元気があれば、アカデミー賞を受賞した韓国映画「パラサイト」を観に行きたいところだが、気分はカウチポテト。ポン・ジュノ監督の過去作品を探して観ることにした。2014年の「スノーピアサー」。SF映画の娯楽作品だが、現代の富の配分や人口問題を思い起こさせる内容で美術や着想に感心しながらも、ストーリー展開に単調な感もあり、パラサイトでどのように本領発揮をしたかを見てみたい気持ちが強くなる。出演するソン・ガンホはだらしなさ、愚かさの味が格別で、生きることへの諦めの中にあるしたたかな力、絶対こいつは喧嘩強いなと思わせる凄みがどの出演作にも感じられて好きな俳優。自分の若い頃の悪友に顔が似ているのも、なんとなく親近感がもてる理由かもしれない。
続いて、(三昧なので2本いきました!)樹木希林が茶道の先生を、その生徒役を黒木華が演じた「日日是好日」を拝見。

疲れた心と体に優しく染み込む滋味深い映画だった。

希林さんが素晴らしい存在感で、茶道の所作の美しさ、ただ座っているだけなのに深い呼吸が伝わってくるような佇まいを見るだけで、自分もきちんと生きていかんとな。という思いにさせてくれる。



淡々としたストーリーが進むだけなのだが、丁寧なカメラワークと燐とした空気感にいつまでも浸っていたいような癒しを感じた。

日々、気持ち追われるばかりで季節の移ろいを感じることなく生活することへの戒めでもある。

そうだ、そんなに慌てる必要もない。(そうでもないことが多いだけに!)冬の冷たさ、雨の音、夏の蒸す汗。すべて是好日と受け止めて生きていこう。

生きていきたいな。と、思う。

今の気持ちにピッタリな。

良い映画だった。

https://www.nichinichimovie.jp/