ローマ人の醤油

サラダの語源

春野菜が美味しくなる季節です。春野菜に含まれる苦味成分には、冬の間にためこんだ脂肪や老廃物を排出させるデトックス効果があるようです。

 

古代ローマ人も野菜の苦味を消すために塩をふり、これが「塩をふる」を意味する「サラダ」の語源となりました。

 

紀元前2世紀に書かれた田園生活の実践書には、キャベツの食べ方がすでに紹介されています。

 

 

[キャベツを刻み、荒い、乾かして塩か酢をふりかける。これ以上健康的なものはない。]

 

 

客人を招いての食卓には、友情の固めの象徴となる「塩」が置かれました。塩がなければ、それは敵意を感じさせる行為となったそうです。

古代ローマでは薬だった塩

ローマの料理の中心は魚料理であり、塩漬けの魚の流通はローマに大きな利益をもたらしました。

ギリシャの医学者、ガレノスは塩、塩づけの魚には食品であると同時に薬としての効果があることをその著作に記しています。

 

塩漬け製品は「サルサメントゥム」と呼ばれ、(「サル」は塩を意味しています。)

「サルサメントゥム」の中でも、塩漬け魚を用いて作られたソースが「ガルム」です。

 

ガルムは発酵した魚のソースであり、ベトナムのニョクマムと通じるものがあります。

 

言わば、ローマ人の醤油のような調味料であり、様々な料理に用いられました。

 

当時の医者たちは、ガルムは瓶詰めした塩漬け魚と同じ、健康に良いあらゆる成分があると考えました。ガルムは薬として、消化不良や傷のように明らかに塩が効く症状に対してだけでなく、坐骨神経痛、結核、偏頭痛に処方された記録が残っています。

 

ローマ帝国が消えるとともに、ガルムも地中海から姿を消しました。

 

ガルムは塩を使った発酵食品であり、日本の味噌、醤油にも通じるものがあります。本物の味噌と醤油が健康に良いと着目している人が最近増えてきており、これは間違った「減塩神話」を打ち破る、良い兆候であると、塩おやじは思っております。

 

※参考文献 「塩の世界史」中公文庫

 

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