梅雨とサラサラのお塩

湿気を帯びるお塩たち

光陰矢の如し、2016年も折り返し地点を廻って、今日から7月です。いやー、やばいやばい。

横浜は梅雨のむしむしした季節が続きますが、こんな季節は飾ってある岩塩が水分を外に出して水浸しで、大変なことになります。岩塩ランプをお持ちの方は常時点灯をおすすめします。点灯していれば、塩が溶けることはありません。

塩は水分を吸いやすく、特にマグネシウムを多くふくむ海塩はしっとりとしているのが特徴です。これが本来の塩の姿なのですが、調理に使うには「サラサラ」のお塩が好まれるのも事実です。

雨降りでもサラサラでる塩の秘密

この「サラサラのお塩」を世界で最初にプロデュースし、大ヒットをとばしたのがアメリカのモートン社です。20世紀初頭、モートンはもともと、流通業者で五大湖に船団をかまえていたそうです。この船団を使って塩の流通を行ったために、陸路を行くよりも流通コストをさげることができ、塩で財を築きます。

モートン社が行った創業時のもうひとつの革新が「サラサラのお塩」ですが、これは炭酸マグネシウムを添加したものでした。これにより、塩の結晶同士がくっつくのを防ぐ役割をはたしました。この化学物質は後に別の固結防止剤、ケイ酸カルシウムにかわりますが、このサラサラで均一な粒のお塩がモートン社の塩の代名詞となりました。

モートン社がこの「サラサラの塩」をキャンペーンするのに使ったのがアンブレラガールと呼ばれる少女のイラストです。少女が雨の中、傘をさしながら塩の箱をもっているのですが、その箱には穴があいており、塩がサラサラとこぼれ落ちているという図案です。キャッチコピーには「雨降りでもさらさら出る」が採用されました。

【出展 塩の世界史 中公文庫、レディーズ・ホーム・ジャーナル 1919年10月号】

まさに梅雨向きの商品と言ってよいでしょう。

現在、塩をサラサラとさせる固結防止剤には、フェロシアン化合物(フェロシアン化ナトリウム、カルシウム、カリウム)や、アミノケイ酸塩があります。

確かに梅雨時、湿ったお塩を使うのは大変ですが、素焼きの塩壷を利用すると塩の湿気を陶器が吸ってくれるので、おすすめです。

 

※ 当店ではモートン社製のお塩の取扱いはしておりません。