皮膚炎とお塩

皮膚炎とお塩

 塩不足と皮膚炎

明治維新から10年たった日本の東北地方をイギリス人女性が見聞した「日本奥地紀行」という本があります。

著者であるイザベラ・バードは日本人ガイドとともに東京から北海道までを旅して、土地の風俗や暮らしを観察していますが、そのなかに東北地方山中の人達の吹き出物の多い事、目の悪いことに触れています。

彼女はそういった日本人を軽蔑することなく、苦しい暮らしの中でも礼儀正しく、追いはぎなどの心配のない日本の治安の良さに感嘆しています。

吹き出物や眼病の原因は、栄養不足や衛生環境によるものかと思いますが、東北の山中で一番欠乏していたのがお塩です。

この塩不足を国策として明治政府は解消していき、それはイオン交換膜を使った塩の大量生産へと続きます。

今は悪しきものとして避けられる精製塩も、日本に慢性的にあった塩不足を解消した点には大きな功績がありました。

明治時代、山地で暮らす日本人にとって塩魚は大変貴重なもので、塩いわしは4日をかけて1尾を食べたという記録が残っています。1日目は表面に浮いた塩をなめ、残り3日で頭、胴体、尻尾を分けて食べたそうです。

 現代のアトピーや皮膚炎も、実は新たな塩不足による現象ではないか?と私は考えています。

添加物、農薬、化学物質の影響を受けた食品をとることは体には負担でしょうし、これを体の外に出すには塩と水が必要なのですが・・・

多くの人が水を飲むかわりに、人工的な飲料を飲んでしまいます。これに抵抗する手段として、体にたまった毒素を体外に出そうとしているのが皮膚炎の原因ではないだろうか、と思っています。

細胞液と細胞外液のイオンバランスが保たれて、スムーズな物質交換ができていれば余分なものは汗や排泄物となって体の外に出られるわけですが、この消化機能や新陳代謝が弱まると厄介です。

内部の細胞がきちんと働かない状態で、表面の症状のみを消そうと薬を塗ることは家の外装はきれいにし、肝心の部屋の掃除ができていないのに似ています。

一時的、補助的に少し表面を整備するものとして若干の薬を使うことは、精神的なストレスを軽減させる点では有効だとは思いますが、薬だけでなんとかしようとするのは大きな片手落ち。やはり、日頃の健全な食生活、ワークライフバランスをうまくとってストレスから身を守ることが肝要だと思います。

そして、腸内環境を整備させるのに、体に優しい塩を使い、きれいな水で体内を潤すのは絶対的に必要だと思うのです。

体内にある汚れを洗い流すものが塩水だからです。

 

本日もよい日曜日をお過ごし下さい。

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