イオン交換膜を使ってかん水をつくり、高温で熱してできた”精製塩”は体にはなじまないものとされていますが・・
お塩の歴史を調べていると、大量生産できる精製塩が登場したことで、塩の価格が抑えられ、安定供給されることによって、塩の奪い合いの歴史にはピリオドが打たれたのか?と感じるものがあります。
1世紀以上前の植民地化や戦争では、まず「製塩所」が抑えられました。
戦後、日本の高度成長時代、ほぼすべての日本人は専売公社によって販売された「精製塩」を使っていました。もし精製塩がなければ、高度成長はなかったとも考えられます。
(HP:琺瑯看板探検隊が行く から借用)
国が若く活気ある時代は体にはきつい精製塩でも機能していたのかもしれません。また、当時は今よりも堅実な食生活があったため、精製塩の弊害を和らげていたという側面もあると思います。
この30年間で、日本人の健康は劣化していきました。今から「精製塩」しか使えない状況になったとしたら、ますます日本人の健康には大打撃を与えるはずです。
2002年になって解禁された塩の販売自由化は、もしかするとそういった状況を見越したものなのか、とさえ思われます。
反面で、健康にとっては「天然塩」を使うことをおすすめしながら、もし全ての人がそれを使うしかない状況になったらと、想像すると恐ろしい感じがします。
塩の値段は高騰し、塩をめぐって戦争がおきるでしょう。
そうなるくらいであれば、不本意であっても精製塩を食べることを選ぶでしょう。
今は、人工的なお塩と天然塩をうまく使い分けていけると良いかと思っています。