腎臓を守るために──塩と水のバランスを考える
私たちの体にとって、塩(ナトリウム)と水は切っても切り離せない関係にあります。
その中心で働いているのが「腎臓」。今回は、塩と腎臓の関係についてお話しします。
ナトリウムと水分の関係
ナトリウムには、体内で水分を保持する性質があります。
ナトリウムの量が増えると、その濃度を薄めようとして水が体内に保持されやすくなり、血液量が増加。結果として血圧が上がります。
塩を摂りすぎると体がむくむ原因は、まさにこの仕組みにあります。
腎臓は体液のコントロールセンター
体内の塩分濃度を調整しているのが「腎臓」です。
腎臓では、ナトリウムの再吸収と分泌、原尿の生成、水の再吸収などを通じて、体液のバランスを保っています。
尿と血液を操る腎臓は、まさに体液の状態を正常に保つコントロールセンターなのです。
減塩だけが正解ではない
腎臓を労わるために「減塩」が常識となっています。
確かに、塩分の摂りすぎは腎臓に負担をかけ、高血圧や腎不全の原因にもなります。
しかし、逆に塩分が不足すると、腎臓は原尿からナトリウムを再吸収しようと働き、これもまた腎臓を疲弊させる原因になります。
つまり、腎臓にとって最も優しい選択は「良質な塩分を、適量摂取すること」。
替えの効かない腎臓を長く元気に働かせるためにも、塩分補給は慎重かつ丁寧に行う必要があります。
「塩と水」はセットで考える
もうひとつの視点は、腎臓が調整しているのは「塩だけ」ではなく、「塩と水」という点です。
塩を摂るときは必要な水を一緒に。水分を摂るときは必要な塩を一緒に。
この考え方を持っていれば、体内のバランスを大きく崩すことはありませんし、腎臓にもやさしいのです。
水分補給の際に「薄い塩水」を飲むことは、腎臓にとっても負担の少ない方法です。
ここでいう塩水とは、濃いものではなく、微量な電解質を含んだまろやかな塩水です。
まとめ
日々の塩分と水分の摂り方を見直すことは、腎臓を守る第一歩。
「塩と水はセットで考える」──この習慣が、あなたの健康を支える大きな力になるはずです。・