命の源「塩と水」が汚染されたら?
私たちの命を支える塩と水。もしそれらが汚染されていたらどうなるのか──導かれる答えは、残酷です。
かつて「水と安全はタダ」と言われていた日本。しかし今、その水の安全神話が揺らいでいます。
今、注目されるPFAS汚染とは?
PFAS(ピーファス)とは、パーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質の総称。炭素とフッ素の強固な結合により、極めて分解されにくく「永遠の化学物質」とも呼ばれています。
身近に潜むPFAS
- テフロン加工のフライパン
- 難燃剤・撥水加工の衣料品やカーペット
- 航空機用の泡消火剤(自衛隊・米軍基地での使用が疑われる)
便利で快適な暮らしの裏で、私たちは無自覚にこの化学物質を使い続けてきました。そして今、それが水質汚染として顕在化し始めています。
安全と便利の代償──環境破壊のリスク
画期的な技術や製品の裏には、必ず環境へのリスクが潜んでいます。PFAS汚染はその典型例です。
かつての水俣病では、工業廃水に含まれていたメチル水銀が海水を汚染し、それを摂取した魚介類を通じて人体に甚大な影響を与えました。
PFASの恐ろしさは、飲み水だけでなく、汚染された水で育った農作物にも影響が及ぶこと。つまり、私たちの体内にじわじわと侵入してくるのです。
日本の対応は「予防」ではなく「事後」
欧米では、明確な被害が出る前に規制を行う「予防原則」が重視されています。一方、日本では「悪影響が特定されていない」という理由で、具体的な規制が進んでいません。
この姿勢の背景には、市民の監視の緩さや、水道水への過信、そして危機感の欠如があるのかもしれません。
小さなアクション──地元水道局への問い合わせ
私自身も、これまで無関心だった一人です。そこで、小さな一歩として地元水道局に、水源地と水質調査について問い合わせのメールを送ってみました。
すると、すぐに電話で丁寧な回答をいただき、自分の飲み水の水源地や検査方法・数値を把握することができました。ひとまず安心は得られましたが、油断は禁物です。
一市民としてできること
水質汚染は、いつどこで起こるかわかりません。だからこそ、定期的なチェックと関心を持ち続けることが大切です。
「水と安全はタダ」だった時代は、もう過去のもの。これからは、自分の命を守るために、情報を集め、行動する時代です。
まとめ──命の水を守るために
水は、塩と並ぶ命の源。その安全性を守るためには、行政任せではなく、市民一人ひとりの意識と行動が必要です。
便利さの裏に潜むリスクを見逃さず、未来の健康のために、今できることを始めていきましょう。