🌊海水浴の起源は治療目的だった!?
― 潮湯治からレジャーへ、塩水健康法の歴史 ―
暑い日が続く今こそ、海水浴の原点を思い出したい
連日、暑い日が続いていますね。海水浴場も賑わいを取り戻し、夏のレジャーを楽しむ人が増えています。
でも、海水浴の起源をご存じですか?実は、もともとは「治療目的」だったんです。まさに、塩水健康法の原点ともいえる習慣でした。
平安時代から続く「潮湯治」
日本では、平安時代から海に入る「潮湯治(しおとうじ)」が行われていた記録があります。
江戸時代には、2代目将軍・徳川秀忠が腫物を治すために海水浴をしたという記録も残っているほど。
尾張藩では、海水を自宅に持ち帰って沸かして入浴する「塩湯治」が広まりました。これは今でいう“バスソルト”ですね。
当時の人々は、海水の薬効をしっかり理解していたようです。
潮湯治の様子は「尾張名所図会」(国会図書館蔵)にも描かれており、みなさん楽しそうに海に浸かっています。
ヨーロッパでも海水浴は医療だった
18世紀のヨーロッパでは、イギリス人医師ラッセルがブライトンに海水浴場を開設。
その目的は以下のような健康効果でした:
- 皮膚の洗浄
- 新陳代謝の促進
- 自律神経の調整
つまり、海水浴は“自然療法”として始まったのです。
治療からレジャーへ
かつては限られた人しか行けなかった海辺も、交通網の発達によって多くの人が訪れるようになり、海水浴は「楽しむもの」へと変化していきました。
子供の頃、海水浴に行くと汗疹がすっかり良くなった、という経験をされた方も多いのではないでしょうか?
海水浴後に体がべたつくのは、海水の浸透圧によって老廃物が引き出されている証拠。新鮮な海水が体に染み込み、新陳代謝が促進されるのです。
現代の海水浴は紫外線と熱中症に注意
昔の海水は汚染されておらず、紫外線も今ほど強くなかったため、海水浴は健康増進に直結していました。
しかし現代では、紫外線対策や熱中症への注意が必要です。
海の恵みを楽しみながら、しっかりとセルフケアも忘れずに。
嗚呼、綺麗な海で泳ぎたい!!
海水浴の原点を知ると、ただのレジャーではなく、自然との深いつながりを感じますね。
今年の夏は、塩水の力を味方にして、心も体もリフレッシュしてみませんか?