減塩=健康は間違い 大切なのは適塩②

減塩=健康は間違い 大切なのは適塩②

さて、適塩についての第2回目。今回は、「塩が血圧に関係する人としない人がいる」というお話をご紹介したいと思います。

今更ですが、血圧とは「心臓から流れる血液が血管を押す圧力」のこと。この圧が高い状態が長く続くと血管にダメージを与えて、動脈硬化や様々な病気の原因になるので注意しましょう!ということが言われています。

高血圧学会から何年かに一度くらいのペースで「この数値を超えたら高血圧」という基準も発表されていますが、こちらも推奨される食塩摂取量が改訂の度に少なくなるのと同じく、改訂される度にどんどん厳しくなっています。



 「お医者さまにかかったら高血圧と言われて減塩指導されたので、塩を減らしている」という方は多いと思いますが、実は「日本人の高血圧患者のうち、ほとんどが原因が特定できない高血圧である」ということを知っている人は少ないのではないでしょうか。


ちょっと詳しく見ていきましょう。
まず、原因のはっきりしている高血圧は2次性高血圧(続発性高血圧)、原因がはっきりしない高血圧は1次性高血圧(本態性高血圧)」と呼ばれ、2次性高血圧の人は全体の5%程度しかおらず、ほとんどの人は「なぜ血圧が高いのか」が特定できない状態にあります。



一般的に高血圧を引き起こす要因として挙げられているのは、「食事は常にお腹いっぱいになるまで食べる」「暴飲暴食」などのいわゆる食べ過ぎ状態による脂質やたんぱく質の過剰摂取、そしてそれによる肥満。
ストレスや喫煙、過剰な肉体酷使。
そして、塩分の過剰摂取です。

これらが複雑に絡み合って高血圧を引き起こすと考えられており、どれか1つだけが原因とは言われていません。
ちなみに塩を大量に摂取すると、濃くなった体内の塩分濃度を正常値に戻す(薄める)ために体内に水分が保持されるので、血流も増え、一時的に血圧は上がります。
でも、人間には体内に塩をため込む機能がないので、濾過装置たる腎臓が正常に働いていれば尿や汗とともにいらない塩分は排泄されていき、血圧も正常に戻ります。
なのに、塩だけを取り上げて「塩を摂ると高血圧になる!」と断罪するのは、なんだかちょっと変ではないでしょうか?

朝から夜まで一生懸命に働き、失敗したり怒られたりしてストレスが溜まって、イライラして喫煙もするし、食事は時間もないしお金をかけたくないからファーストフード(ナトリウムだけの塩を使って味を濃く仕上げた食事)をかきこんでお腹を満たすことがほとんどで、たまの休日は疲れ果てて寝ているだけで過ぎていく・・・意図せずにこういう生活スタイルになっている人も多いのではないかと思います。
自分で書いてて耳が痛いです(笑)

そんな忙しい日々の中で、「定期的に適度な運動をする」「ストレスなく過ごす」「たばこをやめる」「適度に休息を取る」「適正体重・体型をキープする」「塩を減らす」という選択肢をどれか1つ必ずやれと言われたら、一番やりやすいのが「塩を減らす」ということなので、塩がやり玉に挙げられているのかなあ・・・なんて思ったりもしています。

次回は、これまたちょっと衝撃的な「実は半数以上の人が塩分摂取量が血圧の上がり下がりに関係ない」ということをお話したいと思います。
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