水の役割

数ある星のなかで、地球に生命が誕生さえた唯一の条件は水でした。私たち人間の体もほぼ水によって構成されており、新生児の水成分の割合は約80%です。加齢とともに徐々に水成分の割合は減っていきます。老化とは体内の乾燥に他なりません。

 「水も滴る」とは、美男美女のつややかな色気を表現するもので、生命感あふれる人にはみずみずしいオーラがあります。

 水は人体を構成する原料であり、代謝の触媒としての働きをしています。

 生き物は代謝によってエネルギーや必要な物質を作り出していますが、代謝を行うスペースとしての水がなければ、代謝自体ができなくなってしまいます。それは死を意味しています。

 水が、今、地球規模で危機に瀕しており、推計で2025年において水不足の問題に直面する人口は約97億人というデータ(世界人口白書2021)があります。水環境がその土地の文化や気風を作っていて、海に囲まれ、森林に蓄えられた豊かな水資源が、日本の暮らしや平和の礎となっているはずです。一方で、水資源が乏しい国や地域では、飢饉、飢餓、貧困を原因とする戦争が起こりやすくなります。水がない場所では、生きるためのストレスが強く、争いの要因となるからでしょう。

 2019年に、アフガニスタンでアフガニスタンで灌漑工事を進めていた中村哲医師が暗殺されてしまった事件はショックでしたが、「水さえあれば・・」と考えていただろう中村医師の思いには強い共感を覚えます。

人の体内は、身を置く環境の写し鏡のように、水が汚染され不足すれば、人の体内も汚染され乾燥します。水を失った人は、そのストレスゆえに戦闘的で独善的な心理状態に陥りがちです。

 水は単に飲み物ではなく、なんらかの情報伝達能力をもつ物質だという考え方もあります。それには賛否両論があると思いますが、水にはまだ解明できない不思議な部分があるという事を否定しないほうが、面白いとは思いませんか。それを利用した悪い商売はいただけませんが、水に祈りを与え、感謝をしてからいただく、という行為自体はとても良い伝統のはずです。

 ある時は命の支えとなり、津波や大雨では命を奪う危険な存在ともなる水。

 体調や精神面でよい影響を与え、生きる根幹をつくるために、水を大切にし、きれいなお水を日々、摂取していきましょう!