ヒマラヤ産クリスタル岩塩の採掘地を視察する旅で感じたことを書き留めます。
インドが負けると大喜びのパキスタン人
彼はスンニ派と呼ばれる宗派で、パキスタン人の多くはスンニ派です。
これに対してシーア派と呼ばれる宗派が多数を占める国として、アフガニスタン・イランがあり、スンニ派はサウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、オマーン、カタールがあります。
過去に3回戦争を行っているパキスタンとインドはあまり仲が良いとは言えません。
今週はクリケットの世界大会が行われており、パキスタンは早々と敗退してしまいましたが、強国インドが準決勝で敗れる波乱があり、パキスタン人の友人家族は大喜びをしていました。
インドがシーア派国であるアフガニスタン、イランと共同してスンニ派のパキスタンに対抗しているという意識が強く、シーア派国に対してもパキスタン人は良い感情はもっていないようです。
シーア派、スンニ派は預言者ムハンマドの後継者をめぐる対立から袂をわけたのですが、シーア派、スンニ派の中にもまた細かい派閥があり、複雑怪奇な関係性が作られています。
スンニ派の親分 サウジアラビア
スンニ派の親分的な存在はサウジアラビアですが、サウジアラビアは「サウジ家のアラビア」という意味で、国会も国政選挙もなく、サウジ家の財産によって国を賄っているような特殊な国です。
サウジ家の国教はスンニ派ハンバリー学派と呼ばれるものでイスラム原理主義です。最近、問題になっているイスラム国やアルカイーダと近く、大雑把に整理するとハンバリー学派でも急進的なワッハーブ派の中からでてきた集団ととらえることができるそうです。
日本人はイスラム原理主義=暴力的な急進派というイメージをもちますが、平和的な原理主義者もいるわけで、これは誤った解釈です。
争いの火種はいろいろとあるようですが、
シーア派の国イランでは「時間婚」というもの、つもり短時間の結婚・売春があり、
これはスンニ派にとっては大変許せないこととしてクローズアップされています。
シリア問題
今、問題となっているシリアのアサド大統領はシーア派系アラウィ派であり、シリアでは長らく少数派のアラウィ派が多数のスンニ派を統治していたのですが、スンニ派が反政府勢力となり、これにスンニ派国であるサウジとカタールが肩入れをするのに対して、対立国でもあるイスラエルがアサド政権を支援するという複雑な状況になっています。
ムハンマドの後継者選びは1000年以上も前のことですが、スンニ派のパキスタン人の友人によるとその出来事は、リアルに1年とか2年前という皮膚感覚でイスラム教徒にはあるそうです。
これに植民地統治を行ったアングロサクソンの権益争いや、イスラエル・ユダヤ教徒との争いが加わって、中東には戦火の火種が絶えることがありません。
ヒマラヤ岩塩の産地として世界的にも重要なパキスタンも政情や経済が安定した国とは言い難いところはありますが、周辺国とのバランスをとって、なんとか戦争は避けている状態が続くことを願わずにはいられません。