塩の定義は歴史によって変遷を重ねてきました。大雑把に「白い結晶」というくくりをすれば、砂糖も1699年には「インドの塩」と紹介されていたくらいです。
白い結晶は、温泉成分から抽出されたり、化学実験中に偶然発見されたりしますが、多くは「〇〇の塩」とか、「〇〇ソルト」と名付けられました。
今、バスソルトとして話題にもなっている「エプソムソルト」も17世紀後半、イギリスの植物学者がエプソムという湯治場で、その鉱泉から抽出した「硫酸マグネシウム」の別名でもあります。
食塩となる天然塩には様々なミネラルが含まれており、ナトリウムと塩素以外にも硫酸マグネシウム、カリウム、炭酸マグネシウム等が微量に含まれ、これが塩味の個性ともなるのです。
同じ塩水でも、グレート・ソルトレイク(米国)と死海(イスラエル・ヨルダン)の塩水にはハッキリした違いがあり、グレートレイクの塩水はまあまあ舐められる塩味ですが、死海の塩水は苦くていやな味がするそうです。
これは塩水成分が違うためで、死海の塩は塩化マグネシウムの含有量が多いことで知られており、逆にグレート・ソルトレイクは塩化ナトリウムの割合が高いとい塩水です。
「塩」といっても、様々な性質をもったものが存在し、その利用価値もそれぞれ違います。
食塩以外で、塩は特に化学工業で利用されてきましたが、最近では、エプソムソルトや重曹、ニガリが健康産業で注目を浴びるようになってきました。
表に様々な塩(白い結晶)の性質を記します。
名称 | 別名 | 用途 | 画像 |
硝酸ナトリウム |
チリ硝石 |
火薬、防腐剤(食品添加物) |
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硝酸カリウム |
ペトラの塩 |
着色料、化学肥料、防腐材 |
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硫酸ナトリウム |
グラウバー塩 |
バスソルト・ガラスの製造、乾燥剤 |
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硫酸ナトリウム |
エプソムソルト |
バスソルト・マッチの頭・耐火材料 |
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塩化マグネシウム |
にがり |
豆腐作り、凍結防止剤、防塵剤 |
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炭酸ナトリウム |
ソーダ |
ガラスの製造、洗剤、入浴剤(泡の出るもの) |
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炭酸水素ナトリウム |
重曹 |
食品、ガラス製造、繊維、炭酸水 |
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炭酸カリウム |
真珠灰 |
ガラス原料 |
白い結晶も様々で、いろいろな塩(えん)があります。塩とうまくつきあうことができると人生が豊かになります。