昨夜は妻の友人から貸していただいたDVDを観賞しました。
2000年に公開された「キャラバン(邦題)」という映画で原題は「Himalaya」です。
フランス・ネパール・イギリス・スイス合作で、全編をネパール山中でオールロケしたという画面には厳しい自然環境が映し出されていました。
ストーリーはとても簡潔でオーソドックなもの、年老いたキャラバンの首領と若いリーダーとの相克を軸に、麦と交換するためにヒマラヤ山中をヤクに岩塩をのせて移動するキャラバン隊の話です。
時代設定がいつ頃なのかが、わからない部分がありましたが、ヒマラヤ山中で生きるネパール族が生活の糧に岩塩を運んでいたというのは事実です。
特にキャラバン隊がヤクから塩をおろしてこれを積み上げて、風よけとして簡易な宿営地をつくるシーンが印象的でした。また、厳しい行軍に堪えかねて村に引き返そうと訴える仲間に対して、長老が「塩を食って冬を越せるのか、この塩を麦に交換しなければ冬を越すことはできない。」と言うセリフが、現在の自分の境遇と重なる部分があり、グッとくるものがありました。
山の民には冬を越すための麦が必要でしたが、
逆に麦を収穫する平原の民にとっては、ヒマラヤ山中の塩は待望品だったはずで、塩と麦の交易とは経済の原型なのかもしれません。
塩と麦と水。どれかひとつかけても命の糧とはならない不思議。
全ての食に感謝と敬意をもって生活したいものです。