減塩=健康は間違い 大切なのは適塩①

減塩=健康は間違い 大切なのは適塩①

「減塩」という言葉、聞いたことがないという人がいないくらい、世の中に広まっていますよね。

でもみなさん、この「減塩」がいつから言われるようになったか知ってるよ!っていう方は結構少ないんじゃないかと思います。そこには深くて長い背景が・・・。

というわけで、今回から数回に分けて、なぜ「減塩」と言われるようになったのか、減塩は正しいのか、どんなやり方がいいのかについてご紹介したいと思います。

そもそも減塩の始まりって結構最近のこと。
アメリカで1960年代にルイス・ダール氏が発表した疫学調査において「食塩摂取量と高血圧の発症率には相関がある」と示唆する論文が発表されたのがきっかけで、減塩ブームが起こったと言われています。

実はその後に数々の実証実験が行われて、結局その相関関係は明確になっていない状態だったのですが、インパクトが大きかったのでしょうか、減塩ブームだけが一人歩きしてしまう結果となりました。

戦後(1945年以降)になると、GHQの指導の下、日本にもこの「減塩」という考え方が持ち込まれました。当時の日本人の塩の平均摂取量は約15g!今の約1.5倍近い量でした。

最も大きなインパクトがあったのは1971年。その頃すでに塩は専売制度になって久しいわけですが、第4次塩業整備事業という法律が施行され、ナトリウム以外のミネラルを含む製塩や塩の輸入が全面的に禁じられ、ナトリウムだけの塩が全国に一律に流通するようになりました。

それまで一般的に使用されてきた塩はナトリウム以外のミネラルを多く含む塩で、その中には過剰摂取したナトリウムの排泄を促してくれるカリウムというミネラル等も含まれていました。そういったミネラルが一切入っていないナトリウムだけの塩のみが流通することとなると時を同じくして、政府の減塩指導にもより一層熱が入るようになりました。

減塩指導は今でももちろん続いていて、むしろ年々熱は高まるばかり。

厚生労働省から「1日に摂取する食塩の推奨摂取量」が発表されるたびに、その数値はじわじわと減り、2022年現在では男性7.5g/日、女性6.5g/日とされています。

犬も歩けば棒に当たる的な感じで、スーパーやコンビニに行けば「減塩○○」というにあたるくらい、世の中は減塩一色になりました。もちろん、食塩摂取量も右肩下がりです。

でも、ご覧下さい。下のグラフ。これは、政府から発表される食塩摂取量と高血圧性疾患の患者数の数字を年次で拾ってまとめただけのものです。

食塩摂取量は順調に減っているのに、高血圧性疾患の患者数は増加の一途を辿っていますよね。
塩が高血圧の原因で、減塩すれば血圧が下がるのなら、こんなことにはならないはずですが・・・。
次回は、その辺りの謎(闇かも?)に迫ってみたいと思います。

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