メキシコの天日塩田

再生加工塩とは? 自然塩運動の先駆者たち

再生加工塩とは?自然塩運動の先駆者たちが切り拓いた、日本の塩の歴史

メキシコの天日塩田

スーパーの塩売り場に並ぶ、さまざまな種類のお塩。そのなかでも多くの方がお使いになっているのが、「伯方の塩」「赤穂の天塩」「シママース」といった銘柄です。

実はこれらはすべて、「再生加工塩(さいせいかこうえん)」と呼ばれるカテゴリーのお塩。そして、その誕生の背景には、1970年代に多くの消費者と志ある人々が立ち上がった「自然塩運動」という熱い歴史があります。

この記事では、日本の食卓に広く浸透している再生加工塩の成り立ちと、自然塩運動の先駆者たちの物語をわかりやすくご紹介します。


再生加工塩とは?

再生加工塩とは、海外から輸入した天日塩を原料に、国内でにがりや海水を加えて作り直したお塩のことです。

原料となるのは、広大な塩田を持つメキシコやオーストラリアで作られた天日塩。これを日本に輸入し、瀬戸内海などの海水やにがりを加えて、ミネラルを補ったうえで再結晶化させて作られます。

ポジションとしては、純度の高い精製塩と、完全な自然塩のちょうど中間。価格も手頃で入手しやすいため、家庭の食卓から業務用まで広く使われています。

代表的な再生加工塩 3銘柄

再生加工塩の代表銘柄 伯方の塩・赤穂の天塩・シママース

再生加工塩の代表銘柄といえば、次の3つです。

  • 伯方の塩
  • 赤穂の天塩
  • シママース

どれも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。これら3つのブランドには、実は「1970年代の自然塩運動」という共通の源流があります。

「体にとって本当に良いお塩とは何か?」——この問いに向き合った先駆者たちの情熱が、今の再生加工塩を生み出したのです。


自然塩運動が起きた背景 〜塩田廃止法〜

1971年、日本では塩田が全廃されました。

きっかけとなったのが、1952年に発布された「塩業近代化臨時措置法(塩田廃止法)」です。この法律によって、伝統的な塩田による製塩方法が終わりを告げ、製造工程はすべて「イオン交換膜式製塩法」へと切り替えられていきました。

イオン交換膜法で作られる塩は、塩化ナトリウム純度が99%以上の精製塩。にがりに含まれるミネラル(マグネシウム・カリウム・カルシウムなど)はほとんど含まれていません。

「これまで食べていた自然のお塩とはまったく違うものを、国が一方的に押し付けるのか——」

この政府の専制的なやり方と、ミネラルを含まない塩への不安から、塩田の復活と、自然塩の復活を求める消費者運動が全国で起こりました。これが「自然塩運動」です。

自然塩運動のキャンペーンの様子

写真【伯方の塩HPより】


自然塩運動を牽引したのはマクロビオティック実践者たち

自然塩運動を先導したのは、マクロビオティックの実践者たちでした。

マクロビオティックとは?
1930年代に桜沢如一(さくらざわ・ゆきかず)が提唱した食養生法。白米や砂糖は避け、玄米を中心に野菜・海藻・豆などを食べる穀菜食を実践する。自然と調和して生きる東洋哲学にもつながる思想。

食と健康への関心がもともと高かったマクロビの実践者たちは、「塩化ナトリウム100%に近い精製塩は体に悪影響を与える」と考え、天然・自然塩の復活を目指して立ち上がりました。

自然塩運動が掲げた2つの理念

  1. 食物は自然に近い方が良い。 化学薬品のように純化された精製塩を食用として強制する必要はない。人や家畜への安全性も確かめられていない中で、世界に先駆けて急ぐ必要はない。
  2. 生命維持に関わる基本食料である「塩」を選ぶ自由を奪うことは、基本的人権の侵害である。

このシンプルで力強い主張が、多くの人の共感を呼びました。


消費者団体が立ち上げた塩の会社「伯方の塩」

自然塩運動のリーダーの一人、故・菅本フジ子さん(日本自然塩普及会)が中心となって設立されたのが、愛媛県・伯方島を拠点とする伯方塩業株式会社でした。

設立時には、一口10万円・無担保・無保証・無期限の「塩による出世払い」というユニークな方法で出資を募ったところ、たちまち数百万円が集まったと伝わっています。当時の熱気と、自然塩復活への市民の期待の大きさが伝わるエピソードです。

しかし、自然塩復活への道は険しいものでした。政府からは以下のような制約が課せられます。

  • 国が輸入するメキシコ・オーストラリア産の原塩(天日塩田塩)を使うこと(海水から直接塩をつくることは禁止)
  • 熱効率の悪い「平釜」を使うこと
  • 専売塩を誹謗してはならない
  • 袋のデザインや文言の変更も専売公社の確認をとること

この厳しい条件を受け入れながら、「自然塩にできるだけ近いものを」と生み出されたのが、今も多くの家庭で愛されている「伯方の塩」なのです。

伯方の塩の製法

伯方の塩の製造工程

【伯方の塩HPより】

メキシコのゲレロネグロ塩田や、オーストラリアのプライス塩田で天日乾燥された塩を原料に、にがりを含んだ瀬戸内海の海水でいったん完全に溶かし、濃い塩水を作って、それを煮詰める——この工夫によって、ミネラルを含むお塩が生まれました。

伯方の塩(しっとりタイプ)の成分は、食塩相当量95.5g・マグネシウム100〜200mg・カルシウム50〜200mg・カリウム10〜150mg。精製塩にはないミネラルバランスが特徴です。


完全天日塩へ——「海の精」誕生

自然塩運動には、もう一人のキーパーソンがいました。谷克彦(たに・かつひこ)氏です。

当初は菅本さんと志を共にしていましたが、途中から独自の道を歩み始めます。学者たちと共に「食用塩調査会」(のちの日本食用塩研究会)を結成し、伊豆大島の製塩試験場で、太陽と風の力だけで塩を結晶化させる「完全天日製塩」の研究に取り組みました。

その成果が、1980年から会員配布という形で世に出た「海の精」(海の精株式会社)です。

谷氏もまた熱心なマクロビ実践者であり、「赤穂の天塩」の開発にも関わっていました。まさに、塩に人生をかけた人物です。

自然塩運動の原動力としてのマクロビオティックの存在の大きさが、ここからもうかがえます。


自然塩運動の理想と、現代の私たち

いま、スーパーや通販で多種多様なお塩が手に入ることは、決して当たり前のことではありません。先人たちの苦闘の積み重ねの上に、今の私たちの食卓があります。

当時は、きれいごとだけでは済まない葛藤も多かったことでしょう。けれどその源流には、「人が自然と調和して生きる」という理想が確かにありました。

理想の純度が高いほど、時にそれは人を傷つける諸刃の剣にもなります。私たちはその理想を大切に胸に抱きながら、より柔軟な姿勢で、自分にとって本当に良いお塩と向き合っていきたいと思います。


【源気商会のお塩のご紹介】自然塩運動の理想を受け継いで

源気商会は、「塩と水で健康になるお店」として、本物のお塩を追求し続けています。自然塩運動の先人たちが大切にした「人間の体にとって本当に必要なミネラルを含んだ塩」という考え方を、私たちも継承しています。

🌟 イチ押し:ヒマラヤ産クリスタル岩塩

源気商会が最もおすすめするのが、希少な透明のクリスタル岩塩です。

  • ヒマラヤ岩塩の中でも全採掘量の約3〜5%しか採れない希少結晶
  • 約2億5千万年前の古代海水が地中で結晶化した、汚染のないお塩
  • ガラスのように密な結晶構造で、ミネラル微粒子が水に溶けやすく体内でスムーズにイオン化 
  • 代表が現地パキスタンに赴き、原料確保と品質管理を直接実施

    ※クリスタル岩塩の塩化ナトリウム純度は99%で、成分としては精製塩に近いお塩ですが、その味わいはまったく違うものです。塩化ナトリウム純度99%にいたる海水原料、精製過程が精製塩とは異なるためだと考えられます。

水に溶かすと、貝類のような上品なコクが生まれるのが最大の特徴。毎日の「塩水習慣」にも最適です。

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🌸 定番人気:ヒマラヤ産ピンク岩塩

世界で最も知られる、天然のピンク色をした岩塩。鉄分由来の自然なピンク色で、料理の下ごしらえから仕上げまで幅広く活躍します。バスソルトや携帯用の塩分補給にも。

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🌊 産地にこだわった海塩

伯方の塩や赤穂の天塩と同じく、海水を原料に作られる天日海塩もご用意しています。

  • 高知県産「土佐の塩丸」(完全天日塩)
  • バリ島産「TEJAKULA」(完全天日塩)

土地の海の個性がそのまま塩の風味になる、産地ごとに異なる味わいをお楽しみいただけます。

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「どのお塩が自分に合うか試したい」「まずは少量から始めたい」という方に、メール便送料無料のお試しセットをご用意しています。¥1,000〜リスクなくお試しいただけます。

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おわりに

自然塩運動の先駆者たちが命がけで守ろうとしたのは、「塩を選ぶ自由」と「自然に近いものを食べる自由」でした。

その自由があるからこそ、私たちは今日、自分の体と向き合いながらお塩を選ぶことができます。日々の食卓を支える一粒のお塩にも、豊かな物語が詰まっている——そんなことを思い出しながら、今日のお料理を楽しんでいただけたら嬉しいです。


参考文献

  • 『海の精を求めて 塩運動二〇年の歩みと今後の展望』(1990年)
  • 『塩入門(食品知識ミニブックスシリーズ)』尾方昇 著、日本食糧新聞社、2011年
  • 『塩 いのちは海から』マルジュ社、1981年

参考サイト

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