shiho先生の塩ブログ

大切なのは適塩⑥~適塩生活実践編1 隠れ塩分を知る~

大切なのは適塩⑥~適塩生活実践編1 隠れ塩分を知る~

こんにちは、お元気ですか! Shiho(しほ)先生こと、日本ソルトコーディネーター協会、代表理事の青山志穂です! 今回もお塩の使い方のご紹介をさせていただきますね! このブログをご覧になってきた方には、すでに「減塩」ではなく「適塩」が大事であることがご理解いただけているのではないかと思います。 じゃあ!!実際に日常生活の中で「適塩」を実現していくためには、どうしたらよいのでしょうか? 「ややこしいと続けるのが大変」と心配されているみなさん、ご安心ください! ちょっとしたコツをつかむだけで、とても簡単に「適塩」生活を実践することができるんです。 今回から適塩生活の実践方法のコツをお伝えしていきます。 適塩生活のコツ!!その1~市販調味料の隠れ塩分を知る~ 日々、何気なく使っている市販調味料って意外とたくさんありますよね。 醤油、味噌、ソース、マヨネーズにケチャップ、そして各種ドレッシング。 使っていない人のほうが珍しいと思います。どれもおいしいですよね、私も大好きです。 でも、それぞれの調味料にどのくらいの塩分や糖分、そして油分が含まれているかを、考えながら使っている人はほとんどいないのではないでしょうか? 例えば、スープを作る時に便利なコンソメキューブ。 だいたい1つ4gくらいなのですが、どのくらいの塩が含まれているのかご存知でしょうか? 答えは!!なんと、2g以上!! つまり半分は塩です!! しかも、加工食品に使用されている塩は、特に○○産と謳っていない場合は、ほぼ塩化ナトリウムだけの塩が使用されています。 ヘルシーと思われているノンオイルの青じそドレッシングにも、油分なしの物足りなさを補うために、大量の砂糖と塩が使用されています。 その量は、大さじ1杯(15g)あたり、塩は1g弱、糖質は1.5g程度含まれています。 数字で見るとたいした量ではないように思うかも知れませんが、実際に塩1g、砂糖1.5gを計ってみてください!! 「え?こんなに??」と驚かれると思います。 塩も砂糖も溶けてしまうと味わいが弱くなるので、市販のドレッシングにはかなり多めの塩と砂糖が含まれています。 市販調味料を使うこと自体は悪くないですが、「含有塩分量を意識せずに、ドバドバと使い、濃い口が当たり前!!」では、高血圧の原因となってしまいます。 市販調味料の中に「どのくらいの塩分を含まれているか?」 それを意識することが、適塩生活の第一歩です。 またドレッシングであれば、市販のものを使わずに、自分で油、酢、塩を調合してつくる「自家製ドレッシング」なら、塩分コントロールをでき、添加物もなくいいですよね!「調味料のDIY」は適塩生活と相性がよいので、レシピの提案もこれからさせていただきたいと思っています。 さあ、ご一緒に適塩生活をはじめていきましょう!! 代表的調味料に含まれる塩分量の目安表 名称...

大切なのは適塩⑥~適塩生活実践編1 隠れ塩分を知る~

こんにちは、お元気ですか! Shiho(しほ)先生こと、日本ソルトコーディネーター協会、代表理事の青山志穂です! 今回もお塩の使い方のご紹介をさせていただきますね! このブログをご覧になってきた方には、すでに「減塩」ではなく「適塩」が大事であることがご理解いただけているのではないかと思います。 じゃあ!!実際に日常生活の中で「適塩」を実現していくためには、どうしたらよいのでしょうか? 「ややこしいと続けるのが大変」と心配されているみなさん、ご安心ください! ちょっとしたコツをつかむだけで、とても簡単に「適塩」生活を実践することができるんです。 今回から適塩生活の実践方法のコツをお伝えしていきます。 適塩生活のコツ!!その1~市販調味料の隠れ塩分を知る~ 日々、何気なく使っている市販調味料って意外とたくさんありますよね。 醤油、味噌、ソース、マヨネーズにケチャップ、そして各種ドレッシング。 使っていない人のほうが珍しいと思います。どれもおいしいですよね、私も大好きです。 でも、それぞれの調味料にどのくらいの塩分や糖分、そして油分が含まれているかを、考えながら使っている人はほとんどいないのではないでしょうか? 例えば、スープを作る時に便利なコンソメキューブ。 だいたい1つ4gくらいなのですが、どのくらいの塩が含まれているのかご存知でしょうか? 答えは!!なんと、2g以上!! つまり半分は塩です!! しかも、加工食品に使用されている塩は、特に○○産と謳っていない場合は、ほぼ塩化ナトリウムだけの塩が使用されています。 ヘルシーと思われているノンオイルの青じそドレッシングにも、油分なしの物足りなさを補うために、大量の砂糖と塩が使用されています。 その量は、大さじ1杯(15g)あたり、塩は1g弱、糖質は1.5g程度含まれています。 数字で見るとたいした量ではないように思うかも知れませんが、実際に塩1g、砂糖1.5gを計ってみてください!! 「え?こんなに??」と驚かれると思います。 塩も砂糖も溶けてしまうと味わいが弱くなるので、市販のドレッシングにはかなり多めの塩と砂糖が含まれています。 市販調味料を使うこと自体は悪くないですが、「含有塩分量を意識せずに、ドバドバと使い、濃い口が当たり前!!」では、高血圧の原因となってしまいます。 市販調味料の中に「どのくらいの塩分を含まれているか?」 それを意識することが、適塩生活の第一歩です。 またドレッシングであれば、市販のものを使わずに、自分で油、酢、塩を調合してつくる「自家製ドレッシング」なら、塩分コントロールをでき、添加物もなくいいですよね!「調味料のDIY」は適塩生活と相性がよいので、レシピの提案もこれからさせていただきたいと思っています。 さあ、ご一緒に適塩生活をはじめていきましょう!! 代表的調味料に含まれる塩分量の目安表 名称...

大切なのは適塩⑤~塩が体内で果たす役割~

大切なのは適塩⑤~塩が体内で果たす役割~

海水塩、岩塩、湖塩などいろいろな塩がありますが、いずれの塩も、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどのミネラルの集合体です。 ミネラルとは、身体の4%を占める、炭素を含まない無機質のこと。 基本的には身体の機能調整としての役割を果たしたり、骨や血液、 細胞などの重要な構成成分となります。 ミネラルは元素そのもので、ほかの栄養素と結合してその栄養素の働きを全うさせるためには不可欠なので、例えばビタミンなどもミネラルが不足すると働けないまま排出されてしまうことになります。 しかもミネラルは体内で作りだせない上に、溜めておくこともできないので、日々食品として摂取する必要があります。 なお、1日100mg以上摂取すべき主要ミネラルはカルシウム、リン、カリウム、イオウ、ナトリウム、塩素、マグネシウム。 リンとイオウ以外は塩の主成分なので、塩はミネラルを摂取する手段として適していることがわかります。 では、塩は体内でどのような働きをするのでしょうか? 塩は体内に取り入れられると溶けてイオン状態になって体内のあらゆるところに存在しています。 ミネラルの主な働きと不足した場合に起ること 働き 概要 不足すると 浸透圧を一定に保つ 特にカリウムとナトリウムが体内の浸透圧のバランスを調整する むくんだり細胞がうまく働けなくなる 消化液を作り出す 胃液の成分は塩酸で、塩は体内で塩酸を作る原料となります 胃液不足で消化力が落ちたり食欲がなくなります 酸性・アルカリ性のバランスを保つ 人間は生きているだけで酸化(老化)していきますが、ミネラルは身体をややアルカリ性(pH7.35~ph7.45)に維持する働きを持ちます 細胞の老化が進みます 神経伝達を担う 神経を通り脳に流れる信号をスムーズに伝達するためには、十分なナトリウムイオンが必要となります 脳の電気信号がうまく伝わらずけいれんしたり倦怠感が発生します 栄養素の吸収を助ける 炭水化物やたんぱく質が分解され腸で吸収される際に、ナトリウムと結合した化合物となって吸収されます 栄養を吸収することができなくなります 体内で熱を発生させる...

大切なのは適塩⑤~塩が体内で果たす役割~

海水塩、岩塩、湖塩などいろいろな塩がありますが、いずれの塩も、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどのミネラルの集合体です。 ミネラルとは、身体の4%を占める、炭素を含まない無機質のこと。 基本的には身体の機能調整としての役割を果たしたり、骨や血液、 細胞などの重要な構成成分となります。 ミネラルは元素そのもので、ほかの栄養素と結合してその栄養素の働きを全うさせるためには不可欠なので、例えばビタミンなどもミネラルが不足すると働けないまま排出されてしまうことになります。 しかもミネラルは体内で作りだせない上に、溜めておくこともできないので、日々食品として摂取する必要があります。 なお、1日100mg以上摂取すべき主要ミネラルはカルシウム、リン、カリウム、イオウ、ナトリウム、塩素、マグネシウム。 リンとイオウ以外は塩の主成分なので、塩はミネラルを摂取する手段として適していることがわかります。 では、塩は体内でどのような働きをするのでしょうか? 塩は体内に取り入れられると溶けてイオン状態になって体内のあらゆるところに存在しています。 ミネラルの主な働きと不足した場合に起ること 働き 概要 不足すると 浸透圧を一定に保つ 特にカリウムとナトリウムが体内の浸透圧のバランスを調整する むくんだり細胞がうまく働けなくなる 消化液を作り出す 胃液の成分は塩酸で、塩は体内で塩酸を作る原料となります 胃液不足で消化力が落ちたり食欲がなくなります 酸性・アルカリ性のバランスを保つ 人間は生きているだけで酸化(老化)していきますが、ミネラルは身体をややアルカリ性(pH7.35~ph7.45)に維持する働きを持ちます 細胞の老化が進みます 神経伝達を担う 神経を通り脳に流れる信号をスムーズに伝達するためには、十分なナトリウムイオンが必要となります 脳の電気信号がうまく伝わらずけいれんしたり倦怠感が発生します 栄養素の吸収を助ける 炭水化物やたんぱく質が分解され腸で吸収される際に、ナトリウムと結合した化合物となって吸収されます 栄養を吸収することができなくなります 体内で熱を発生させる...

大切なのは適塩④~高血圧と食塩は関係ない!?~

大切なのは適塩④~高血圧と食塩は関係ない!?~

さて、前回はあまりの猛暑に急遽「熱中症予防」についてお伝えしましたが、今回は本筋に話を戻して、「実は半数以上の人が塩分摂取量が血圧の上がり下がりに関係ない」というお話をご紹介したいと思います。 1995年に東京大学医学部の藤田敏郎教授が行った研究発表によると、実は人間は体質的に「塩の摂取が血圧の上昇に関与するタイプ」の人と、「塩の摂取が血圧の上昇に関係ない人」に分かれることが判明しました。 関係あるタイプの人を「食塩感受性」、関係ないタイプの人を「食塩非感受性」と呼びます。 人種による違いはあると思いますが、少なくとも日本人においては、50%は「食塩非感受性」で、20%が「食塩感受性」、残り30%は「様々な要因が絡み合って血圧があがるタイプ」だそうです。 さらに2011年には同教授から新たな研究発表があり、どうして高血圧になるのかというメカニズムが解明されました。 「食塩感受性」の人は、腎臓でのナトリウム排出機能に障害が生じやすく、塩分を過剰に摂取すると腎臓の交感神経の活動が促進され、塩分の排出を担う遺伝子の働きが抑制されてしまい、結果として血液中のナトリウム濃度が上昇します。 ナトリウムは水分と結びつきやすいため血液量が増える=血圧が上昇するというわけです。 一方「食塩非感受性」の人が高血圧になる場合は、タンパク質の一種であるアンジオテンシンIIが血管中にとりこまれ、その作用によって血管の収縮が生じ、その結果、高血圧になります。 そのため、最も新しい高血圧の薬は塩分をブロックする構成ではなくなっているそうです。 自分がどちらの体質なのかを知るための検査は可能ではあるのですが、できる病院は限られており、普及していません。 塩分を多く摂取したあとの自分の体調の変化を気にかけておくとよいでしょう。 もちろん、食塩感受性の人にも塩は必要です。 減塩ではなく、適切な質の塩を適量摂る「適塩」生活を意識することで、「塩は悪者」ではなく「塩は味方」の生活を送ることができるでしょう。

大切なのは適塩④~高血圧と食塩は関係ない!?~

さて、前回はあまりの猛暑に急遽「熱中症予防」についてお伝えしましたが、今回は本筋に話を戻して、「実は半数以上の人が塩分摂取量が血圧の上がり下がりに関係ない」というお話をご紹介したいと思います。 1995年に東京大学医学部の藤田敏郎教授が行った研究発表によると、実は人間は体質的に「塩の摂取が血圧の上昇に関与するタイプ」の人と、「塩の摂取が血圧の上昇に関係ない人」に分かれることが判明しました。 関係あるタイプの人を「食塩感受性」、関係ないタイプの人を「食塩非感受性」と呼びます。 人種による違いはあると思いますが、少なくとも日本人においては、50%は「食塩非感受性」で、20%が「食塩感受性」、残り30%は「様々な要因が絡み合って血圧があがるタイプ」だそうです。 さらに2011年には同教授から新たな研究発表があり、どうして高血圧になるのかというメカニズムが解明されました。 「食塩感受性」の人は、腎臓でのナトリウム排出機能に障害が生じやすく、塩分を過剰に摂取すると腎臓の交感神経の活動が促進され、塩分の排出を担う遺伝子の働きが抑制されてしまい、結果として血液中のナトリウム濃度が上昇します。 ナトリウムは水分と結びつきやすいため血液量が増える=血圧が上昇するというわけです。 一方「食塩非感受性」の人が高血圧になる場合は、タンパク質の一種であるアンジオテンシンIIが血管中にとりこまれ、その作用によって血管の収縮が生じ、その結果、高血圧になります。 そのため、最も新しい高血圧の薬は塩分をブロックする構成ではなくなっているそうです。 自分がどちらの体質なのかを知るための検査は可能ではあるのですが、できる病院は限られており、普及していません。 塩分を多く摂取したあとの自分の体調の変化を気にかけておくとよいでしょう。 もちろん、食塩感受性の人にも塩は必要です。 減塩ではなく、適切な質の塩を適量摂る「適塩」生活を意識することで、「塩は悪者」ではなく「塩は味方」の生活を送ることができるでしょう。

大切なのは適塩③~熱中症予防には良質な塩と水を~

大切なのは適塩③~熱中症予防には良質な塩と水を~

毎年言っているような気もしますが、温暖化の影響なのか、天候がどんどん変化していますね。 全国的に「梅雨はどこへ?」と聞きたくなるような猛暑日に襲われており、残念ながら熱中症で亡くなる方も。 今回は、適塩生活の一環として、熱中症予防に塩と水を上手に活用する方法をお伝えしたいと思います。 どうして熱中症予防に塩が必要なのか? それは、体内には0.9%の濃度で塩分が含まれていて、この0.9%が保たれていることで細胞が正常に働くことができ健康が維持できるからです。 汗の中には約0.3%ほどの塩分が含まれています。 1リットル汗をかくと3gの塩分が失われるわけです。 たとえば、気温29℃の日に体重65kgの人が普通に生活しているだけで、1日に約3リットルの汗をかき、約9gの塩分が失われている計算になります。 さらに、屋外での肉体労働に従事している人やスポーツをする人などは、1日で12リットルもの汗をかく、つまり27gもの塩が体外に排出されることもあります。 これだけの塩が体外に排出されるのに、補給をしなければどうなるか。 もちろん、本来あるべき0.9%の塩分濃度が保てなくなるため、細胞が元気に働くことができなくなってしまいます。 では、体内の塩がなくなるとなにが起きるのでしょうか? 江戸時代には軽犯罪を犯した人を懲らしめる「塩抜きの刑」があったと言われています。 塩分を補給できないというのは刑罰になるほど大変なことなのです。 体内の塩分が0.9%を下回った状態が長く続くと、最初は倦怠感から始まり、次に頭痛や吐き気を催します。 イライラもしやすくなります。 ひどくなると低ナトリウム血症という状態になり、意識がもうろうとしてきて、気を失い、最終的には心停止が起こり死亡に至ることもあります。 さらに、体内にある程度水分を保持するためには塩分が必要なので、水分を補給しても体内に留めることができず、すぐに排出されてしまうため脱水症状が促進されてしまうのです。 汗をかいたら、水分と一緒に塩分も補給するというのは、とても大切なことなのです。 市販のスポーツドリンクでも良いのですが、飲みやすくするために過剰な糖分が含まれていることがほとんどです。 浸透圧の関係もあるので、急速に吸収させたい時(たとえばスポーツをしている時)はスポーツドリンクでも良いのですが、日常生活の中でスポーツドリンクを多用すると、糖分過多になりがち。 そこでおすすめしたいのが、水に塩を入れて自家製の熱中症対策ドリンクを作ること。 作り方は簡単で、水500mlに対して塩を4~5g程度いれて溶かすだけ。 これで体液に近い塩分濃度の塩水ができるので、これをちょこちょこと補給します。 お好みでレモン等の果汁を少し加えたり、ミントを入れたりしてフレーバーをつけるのも楽しいものです。 良質の水と塩を活用して、上手に猛暑を乗りきっていきましょう! この記事の関連商品 クリスタル岩塩 クリスタル岩塩はこちら 有機レモン果汁...

大切なのは適塩③~熱中症予防には良質な塩と水を~

毎年言っているような気もしますが、温暖化の影響なのか、天候がどんどん変化していますね。 全国的に「梅雨はどこへ?」と聞きたくなるような猛暑日に襲われており、残念ながら熱中症で亡くなる方も。 今回は、適塩生活の一環として、熱中症予防に塩と水を上手に活用する方法をお伝えしたいと思います。 どうして熱中症予防に塩が必要なのか? それは、体内には0.9%の濃度で塩分が含まれていて、この0.9%が保たれていることで細胞が正常に働くことができ健康が維持できるからです。 汗の中には約0.3%ほどの塩分が含まれています。 1リットル汗をかくと3gの塩分が失われるわけです。 たとえば、気温29℃の日に体重65kgの人が普通に生活しているだけで、1日に約3リットルの汗をかき、約9gの塩分が失われている計算になります。 さらに、屋外での肉体労働に従事している人やスポーツをする人などは、1日で12リットルもの汗をかく、つまり27gもの塩が体外に排出されることもあります。 これだけの塩が体外に排出されるのに、補給をしなければどうなるか。 もちろん、本来あるべき0.9%の塩分濃度が保てなくなるため、細胞が元気に働くことができなくなってしまいます。 では、体内の塩がなくなるとなにが起きるのでしょうか? 江戸時代には軽犯罪を犯した人を懲らしめる「塩抜きの刑」があったと言われています。 塩分を補給できないというのは刑罰になるほど大変なことなのです。 体内の塩分が0.9%を下回った状態が長く続くと、最初は倦怠感から始まり、次に頭痛や吐き気を催します。 イライラもしやすくなります。 ひどくなると低ナトリウム血症という状態になり、意識がもうろうとしてきて、気を失い、最終的には心停止が起こり死亡に至ることもあります。 さらに、体内にある程度水分を保持するためには塩分が必要なので、水分を補給しても体内に留めることができず、すぐに排出されてしまうため脱水症状が促進されてしまうのです。 汗をかいたら、水分と一緒に塩分も補給するというのは、とても大切なことなのです。 市販のスポーツドリンクでも良いのですが、飲みやすくするために過剰な糖分が含まれていることがほとんどです。 浸透圧の関係もあるので、急速に吸収させたい時(たとえばスポーツをしている時)はスポーツドリンクでも良いのですが、日常生活の中でスポーツドリンクを多用すると、糖分過多になりがち。 そこでおすすめしたいのが、水に塩を入れて自家製の熱中症対策ドリンクを作ること。 作り方は簡単で、水500mlに対して塩を4~5g程度いれて溶かすだけ。 これで体液に近い塩分濃度の塩水ができるので、これをちょこちょこと補給します。 お好みでレモン等の果汁を少し加えたり、ミントを入れたりしてフレーバーをつけるのも楽しいものです。 良質の水と塩を活用して、上手に猛暑を乗りきっていきましょう! この記事の関連商品 クリスタル岩塩 クリスタル岩塩はこちら 有機レモン果汁...

減塩=健康は間違い 大切なのは適塩②

減塩=健康は間違い 大切なのは適塩②

さて、適塩についての第2回目。今回は、「塩が血圧に関係する人としない人がいる」というお話をご紹介したいと思います。 今更ですが、血圧とは「心臓から流れる血液が血管を押す圧力」のこと。この圧が高い状態が長く続くと血管にダメージを与えて、動脈硬化や様々な病気の原因になるので注意しましょう!ということが言われています。 高血圧学会から何年かに一度くらいのペースで「この数値を超えたら高血圧」という基準も発表されていますが、こちらも推奨される食塩摂取量が改訂の度に少なくなるのと同じく、改訂される度にどんどん厳しくなっています。  「お医者さまにかかったら高血圧と言われて減塩指導されたので、塩を減らしている」という方は多いと思いますが、実は「日本人の高血圧患者のうち、ほとんどが原因が特定できない高血圧である」ということを知っている人は少ないのではないでしょうか。 ちょっと詳しく見ていきましょう。 まず、原因のはっきりしている高血圧は2次性高血圧(続発性高血圧)、原因がはっきりしない高血圧は1次性高血圧(本態性高血圧)」と呼ばれ、2次性高血圧の人は全体の5%程度しかおらず、ほとんどの人は「なぜ血圧が高いのか」が特定できない状態にあります。 一般的に高血圧を引き起こす要因として挙げられているのは、「食事は常にお腹いっぱいになるまで食べる」「暴飲暴食」などのいわゆる食べ過ぎ状態による脂質やたんぱく質の過剰摂取、そしてそれによる肥満。 ストレスや喫煙、過剰な肉体酷使。 そして、塩分の過剰摂取です。 これらが複雑に絡み合って高血圧を引き起こすと考えられており、どれか1つだけが原因とは言われていません。 ちなみに塩を大量に摂取すると、濃くなった体内の塩分濃度を正常値に戻す(薄める)ために体内に水分が保持されるので、血流も増え、一時的に血圧は上がります。 でも、人間には体内に塩をため込む機能がないので、濾過装置たる腎臓が正常に働いていれば尿や汗とともにいらない塩分は排泄されていき、血圧も正常に戻ります。 なのに、塩だけを取り上げて「塩を摂ると高血圧になる!」と断罪するのは、なんだかちょっと変ではないでしょうか? 朝から夜まで一生懸命に働き、失敗したり怒られたりしてストレスが溜まって、イライラして喫煙もするし、食事は時間もないしお金をかけたくないからファーストフード(ナトリウムだけの塩を使って味を濃く仕上げた食事)をかきこんでお腹を満たすことがほとんどで、たまの休日は疲れ果てて寝ているだけで過ぎていく・・・意図せずにこういう生活スタイルになっている人も多いのではないかと思います。 自分で書いてて耳が痛いです(笑) そんな忙しい日々の中で、「定期的に適度な運動をする」「ストレスなく過ごす」「たばこをやめる」「適度に休息を取る」「適正体重・体型をキープする」「塩を減らす」という選択肢をどれか1つ必ずやれと言われたら、一番やりやすいのが「塩を減らす」ということなので、塩がやり玉に挙げられているのかなあ・・・なんて思ったりもしています。 次回は、これまたちょっと衝撃的な「実は半数以上の人が塩分摂取量が血圧の上がり下がりに関係ない」ということをお話したいと思います。

減塩=健康は間違い 大切なのは適塩②

さて、適塩についての第2回目。今回は、「塩が血圧に関係する人としない人がいる」というお話をご紹介したいと思います。 今更ですが、血圧とは「心臓から流れる血液が血管を押す圧力」のこと。この圧が高い状態が長く続くと血管にダメージを与えて、動脈硬化や様々な病気の原因になるので注意しましょう!ということが言われています。 高血圧学会から何年かに一度くらいのペースで「この数値を超えたら高血圧」という基準も発表されていますが、こちらも推奨される食塩摂取量が改訂の度に少なくなるのと同じく、改訂される度にどんどん厳しくなっています。  「お医者さまにかかったら高血圧と言われて減塩指導されたので、塩を減らしている」という方は多いと思いますが、実は「日本人の高血圧患者のうち、ほとんどが原因が特定できない高血圧である」ということを知っている人は少ないのではないでしょうか。 ちょっと詳しく見ていきましょう。 まず、原因のはっきりしている高血圧は2次性高血圧(続発性高血圧)、原因がはっきりしない高血圧は1次性高血圧(本態性高血圧)」と呼ばれ、2次性高血圧の人は全体の5%程度しかおらず、ほとんどの人は「なぜ血圧が高いのか」が特定できない状態にあります。 一般的に高血圧を引き起こす要因として挙げられているのは、「食事は常にお腹いっぱいになるまで食べる」「暴飲暴食」などのいわゆる食べ過ぎ状態による脂質やたんぱく質の過剰摂取、そしてそれによる肥満。 ストレスや喫煙、過剰な肉体酷使。 そして、塩分の過剰摂取です。 これらが複雑に絡み合って高血圧を引き起こすと考えられており、どれか1つだけが原因とは言われていません。 ちなみに塩を大量に摂取すると、濃くなった体内の塩分濃度を正常値に戻す(薄める)ために体内に水分が保持されるので、血流も増え、一時的に血圧は上がります。 でも、人間には体内に塩をため込む機能がないので、濾過装置たる腎臓が正常に働いていれば尿や汗とともにいらない塩分は排泄されていき、血圧も正常に戻ります。 なのに、塩だけを取り上げて「塩を摂ると高血圧になる!」と断罪するのは、なんだかちょっと変ではないでしょうか? 朝から夜まで一生懸命に働き、失敗したり怒られたりしてストレスが溜まって、イライラして喫煙もするし、食事は時間もないしお金をかけたくないからファーストフード(ナトリウムだけの塩を使って味を濃く仕上げた食事)をかきこんでお腹を満たすことがほとんどで、たまの休日は疲れ果てて寝ているだけで過ぎていく・・・意図せずにこういう生活スタイルになっている人も多いのではないかと思います。 自分で書いてて耳が痛いです(笑) そんな忙しい日々の中で、「定期的に適度な運動をする」「ストレスなく過ごす」「たばこをやめる」「適度に休息を取る」「適正体重・体型をキープする」「塩を減らす」という選択肢をどれか1つ必ずやれと言われたら、一番やりやすいのが「塩を減らす」ということなので、塩がやり玉に挙げられているのかなあ・・・なんて思ったりもしています。 次回は、これまたちょっと衝撃的な「実は半数以上の人が塩分摂取量が血圧の上がり下がりに関係ない」ということをお話したいと思います。

減塩=健康は間違い 大切なのは適塩①

減塩=健康は間違い 大切なのは適塩①

「減塩」という言葉、聞いたことがないという人がいないくらい、世の中に広まっていますよね。 でもみなさん、この「減塩」がいつから言われるようになったか知ってるよ!っていう方は結構少ないんじゃないかと思います。そこには深くて長い背景が・・・。 というわけで、今回から数回に分けて、なぜ「減塩」と言われるようになったのか、減塩は正しいのか、どんなやり方がいいのかについてご紹介したいと思います。 そもそも減塩の始まりって結構最近のこと。 アメリカで1960年代にルイス・ダール氏が発表した疫学調査において「食塩摂取量と高血圧の発症率には相関がある」と示唆する論文が発表されたのがきっかけで、減塩ブームが起こったと言われています。 実はその後に数々の実証実験が行われて、結局その相関関係は明確になっていない状態だったのですが、インパクトが大きかったのでしょうか、減塩ブームだけが一人歩きしてしまう結果となりました。 戦後(1945年以降)になると、GHQの指導の下、日本にもこの「減塩」という考え方が持ち込まれました。当時の日本人の塩の平均摂取量は約15g!今の約1.5倍近い量でした。 最も大きなインパクトがあったのは1971年。その頃すでに塩は専売制度になって久しいわけですが、第4次塩業整備事業という法律が施行され、ナトリウム以外のミネラルを含む製塩や塩の輸入が全面的に禁じられ、ナトリウムだけの塩が全国に一律に流通するようになりました。 それまで一般的に使用されてきた塩はナトリウム以外のミネラルを多く含む塩で、その中には過剰摂取したナトリウムの排泄を促してくれるカリウムというミネラル等も含まれていました。そういったミネラルが一切入っていないナトリウムだけの塩のみが流通することとなると時を同じくして、政府の減塩指導にもより一層熱が入るようになりました。 減塩指導は今でももちろん続いていて、むしろ年々熱は高まるばかり。 厚生労働省から「1日に摂取する食塩の推奨摂取量」が発表されるたびに、その数値はじわじわと減り、2022年現在では男性7.5g/日、女性6.5g/日とされています。 犬も歩けば棒に当たる的な感じで、スーパーやコンビニに行けば「減塩○○」というにあたるくらい、世の中は減塩一色になりました。もちろん、食塩摂取量も右肩下がりです。 でも、ご覧下さい。下のグラフ。これは、政府から発表される食塩摂取量と高血圧性疾患の患者数の数字を年次で拾ってまとめただけのものです。 食塩摂取量は順調に減っているのに、高血圧性疾患の患者数は増加の一途を辿っていますよね。 塩が高血圧の原因で、減塩すれば血圧が下がるのなら、こんなことにはならないはずですが・・・。 次回は、その辺りの謎(闇かも?)に迫ってみたいと思います。 青山志穂セレクション 青山志穂さんのInstagramはこちら

減塩=健康は間違い 大切なのは適塩①

「減塩」という言葉、聞いたことがないという人がいないくらい、世の中に広まっていますよね。 でもみなさん、この「減塩」がいつから言われるようになったか知ってるよ!っていう方は結構少ないんじゃないかと思います。そこには深くて長い背景が・・・。 というわけで、今回から数回に分けて、なぜ「減塩」と言われるようになったのか、減塩は正しいのか、どんなやり方がいいのかについてご紹介したいと思います。 そもそも減塩の始まりって結構最近のこと。 アメリカで1960年代にルイス・ダール氏が発表した疫学調査において「食塩摂取量と高血圧の発症率には相関がある」と示唆する論文が発表されたのがきっかけで、減塩ブームが起こったと言われています。 実はその後に数々の実証実験が行われて、結局その相関関係は明確になっていない状態だったのですが、インパクトが大きかったのでしょうか、減塩ブームだけが一人歩きしてしまう結果となりました。 戦後(1945年以降)になると、GHQの指導の下、日本にもこの「減塩」という考え方が持ち込まれました。当時の日本人の塩の平均摂取量は約15g!今の約1.5倍近い量でした。 最も大きなインパクトがあったのは1971年。その頃すでに塩は専売制度になって久しいわけですが、第4次塩業整備事業という法律が施行され、ナトリウム以外のミネラルを含む製塩や塩の輸入が全面的に禁じられ、ナトリウムだけの塩が全国に一律に流通するようになりました。 それまで一般的に使用されてきた塩はナトリウム以外のミネラルを多く含む塩で、その中には過剰摂取したナトリウムの排泄を促してくれるカリウムというミネラル等も含まれていました。そういったミネラルが一切入っていないナトリウムだけの塩のみが流通することとなると時を同じくして、政府の減塩指導にもより一層熱が入るようになりました。 減塩指導は今でももちろん続いていて、むしろ年々熱は高まるばかり。 厚生労働省から「1日に摂取する食塩の推奨摂取量」が発表されるたびに、その数値はじわじわと減り、2022年現在では男性7.5g/日、女性6.5g/日とされています。 犬も歩けば棒に当たる的な感じで、スーパーやコンビニに行けば「減塩○○」というにあたるくらい、世の中は減塩一色になりました。もちろん、食塩摂取量も右肩下がりです。 でも、ご覧下さい。下のグラフ。これは、政府から発表される食塩摂取量と高血圧性疾患の患者数の数字を年次で拾ってまとめただけのものです。 食塩摂取量は順調に減っているのに、高血圧性疾患の患者数は増加の一途を辿っていますよね。 塩が高血圧の原因で、減塩すれば血圧が下がるのなら、こんなことにはならないはずですが・・・。 次回は、その辺りの謎(闇かも?)に迫ってみたいと思います。 青山志穂セレクション 青山志穂さんのInstagramはこちら