shiho先生の塩ブログ

塩にまつわるトンデモ説あれこれ

塩にまつわるトンデモ説あれこれ

最近、YouTubeなどで「○○の塩は硫酸塩が含まれているから危険だから食べないほうがいい。△△の塩なら安心!」という趣旨の動画が注目を集めているようです。 根拠となるような論文が見つからなかったため、実際のところどうなのだろうかと医師の先生や研究者の方にお話を聞いてみたところ、要約すると「硫酸塩が硫酸還元菌によって硫化水素を出すということは本当だけれど、生体利用率も考えると、塩に含まれる程度の超微量の硫酸塩を長期摂取したからと言って、なにか体内に悪影響が起ることは考えにくい」とのことでした。 こういった類いのトンデモ説は実はたくさんあって、たとえば「天日塩が釜炊き塩(煎ごう塩)や岩塩よりも優れている」という話。 これにも科学的・医学的根拠は一切存在していませんし、天日塩だから身体に吸収されやすく、岩塩や釜炊き塩(煎ごう塩)は吸収されにくいということもありません。 あっても、岩塩は結晶が硬いので一般的な海水塩に比べるとほんの少し溶けにくい、という程度です。 似たような話では、「煎ごう塩は天日塩に比べると火を通すのでミネラルが喪失される」という話。これも、科学的な根拠がありません。 多分、食べ物に含まれるミネラル(例えば野菜に含まれるカリウム)などが、調理によって減ることから来ていると思うのですが、これは調理によって食べ物の中の外に排出される水分とともにミネラルも一緒に出て行っているという話であって、消えてなくなったわけではないので、海水が原料となって結晶化している塩には当てはまらないわけです。(塩の結晶に入り切らないにがりのミネラル分は摂取できませんが、喪失とはまた別の話ですね) ほかには、「にがりは豆腐(たんぱく質)を固める成分が入っていて、臓器も固めるので身体に悪い」という話。 これが本当ならば、昔から豆腐を食べてきた日本人と中国人はすでに絶滅していることでしょう。科学的に明らかに否定されている説です。 しかし、こういった風説はいつの時代でも消えることなく続々と出てきます。 人の不安を煽るような書き方をしているので、まんまと乗ってしまいがちですが、ちょっと待って。それをそのまま信じるのではなく、一呼吸おいて、自分で調べたり、たしかな専門家に聞いた上で判断するようにしましょう。 また、人はひとりひとり体質が違って当たり前。 使い続けていて、体調が良くなったり自分に合ったりしているようであればそのまま続ければ良いですし、なんか具合が悪いなあと思ったら、やめたらいいのです。 あまり難しく考えず、お気に入りの塩を楽しく使うのが一番ではないでしょうか。 青山志穂セレクション 青山志穂さんのInstagramはこちら

塩にまつわるトンデモ説あれこれ

最近、YouTubeなどで「○○の塩は硫酸塩が含まれているから危険だから食べないほうがいい。△△の塩なら安心!」という趣旨の動画が注目を集めているようです。 根拠となるような論文が見つからなかったため、実際のところどうなのだろうかと医師の先生や研究者の方にお話を聞いてみたところ、要約すると「硫酸塩が硫酸還元菌によって硫化水素を出すということは本当だけれど、生体利用率も考えると、塩に含まれる程度の超微量の硫酸塩を長期摂取したからと言って、なにか体内に悪影響が起ることは考えにくい」とのことでした。 こういった類いのトンデモ説は実はたくさんあって、たとえば「天日塩が釜炊き塩(煎ごう塩)や岩塩よりも優れている」という話。 これにも科学的・医学的根拠は一切存在していませんし、天日塩だから身体に吸収されやすく、岩塩や釜炊き塩(煎ごう塩)は吸収されにくいということもありません。 あっても、岩塩は結晶が硬いので一般的な海水塩に比べるとほんの少し溶けにくい、という程度です。 似たような話では、「煎ごう塩は天日塩に比べると火を通すのでミネラルが喪失される」という話。これも、科学的な根拠がありません。 多分、食べ物に含まれるミネラル(例えば野菜に含まれるカリウム)などが、調理によって減ることから来ていると思うのですが、これは調理によって食べ物の中の外に排出される水分とともにミネラルも一緒に出て行っているという話であって、消えてなくなったわけではないので、海水が原料となって結晶化している塩には当てはまらないわけです。(塩の結晶に入り切らないにがりのミネラル分は摂取できませんが、喪失とはまた別の話ですね) ほかには、「にがりは豆腐(たんぱく質)を固める成分が入っていて、臓器も固めるので身体に悪い」という話。 これが本当ならば、昔から豆腐を食べてきた日本人と中国人はすでに絶滅していることでしょう。科学的に明らかに否定されている説です。 しかし、こういった風説はいつの時代でも消えることなく続々と出てきます。 人の不安を煽るような書き方をしているので、まんまと乗ってしまいがちですが、ちょっと待って。それをそのまま信じるのではなく、一呼吸おいて、自分で調べたり、たしかな専門家に聞いた上で判断するようにしましょう。 また、人はひとりひとり体質が違って当たり前。 使い続けていて、体調が良くなったり自分に合ったりしているようであればそのまま続ければ良いですし、なんか具合が悪いなあと思ったら、やめたらいいのです。 あまり難しく考えず、お気に入りの塩を楽しく使うのが一番ではないでしょうか。 青山志穂セレクション 青山志穂さんのInstagramはこちら

塩ってどんな形?実は面白い塩の形

塩ってどんな形?実は面白い塩の形

みなさん、塩の形ってよく見たことありますか? 日本で一番多く使われている「食塩」がキレイな立方体をしているので、なんとなく塩は小さな四角の粒というイメージがあるかもしれません。でも実は、その形は非常にバラエティ豊かなんです。塩の形は「どうやって結晶させたか」という製法によって左右されます。最初に小さな小さな立方体の角ができて、その角を中心に結晶がいろいろな形に成長していきます。 フレークタイプ 沸騰させないで結晶させると、表面張力で結晶は海水の表面で横に向かって成長していきます。そしていつしか板状(フレーク状)の結晶になります。 トレミータイプ 重力や湿度の影響を受けて、中が空洞の美しいピラミッド型(トレミー状)の結晶になったりもします。いずれも見た目の美しさだけでなく、サクサクとした食感が楽しめるのも面白いところ。 凝集晶タイプ グツグツと沸騰させて結晶させると、塩の結晶同士がぶつかり合うので大きくはならず、また、形もキレイな立方体ではなく少しゴツゴツした感じに。さらに結晶同士が緩くくっつきあって、凝集晶と呼ばれる結晶になります。 パウダータイプ 日本でしか行われていませんが、海水中の水分を瞬間的に蒸発させる製法もあり、そういった場合は片栗粉のようなパウダー状の塩が出来上がります。 岩塩タイプ 岩塩の場合はもともと塩として結晶しているものを爆破して粉砕するので、その形は不定形。虫眼鏡などで見ると、バラバラなのがわかると思います。 岩塩の使い方で1つおすすめなのは、パウダータイプと少し粗めの粉砕を混ぜてみること。 これがまた口溶けに時間差を与えてくれたりするので、全体として味の余韻が長くなったりメリハリがついたりして、それぞれ単体で使う時とはまた違う楽しみが生まれますよ。 結晶の形にも着目しながら、ぜひ塩を楽しんでみてくださいね。 青山志穂セレクション 青山志穂さんのInstagramはこちら

塩ってどんな形?実は面白い塩の形

みなさん、塩の形ってよく見たことありますか? 日本で一番多く使われている「食塩」がキレイな立方体をしているので、なんとなく塩は小さな四角の粒というイメージがあるかもしれません。でも実は、その形は非常にバラエティ豊かなんです。塩の形は「どうやって結晶させたか」という製法によって左右されます。最初に小さな小さな立方体の角ができて、その角を中心に結晶がいろいろな形に成長していきます。 フレークタイプ 沸騰させないで結晶させると、表面張力で結晶は海水の表面で横に向かって成長していきます。そしていつしか板状(フレーク状)の結晶になります。 トレミータイプ 重力や湿度の影響を受けて、中が空洞の美しいピラミッド型(トレミー状)の結晶になったりもします。いずれも見た目の美しさだけでなく、サクサクとした食感が楽しめるのも面白いところ。 凝集晶タイプ グツグツと沸騰させて結晶させると、塩の結晶同士がぶつかり合うので大きくはならず、また、形もキレイな立方体ではなく少しゴツゴツした感じに。さらに結晶同士が緩くくっつきあって、凝集晶と呼ばれる結晶になります。 パウダータイプ 日本でしか行われていませんが、海水中の水分を瞬間的に蒸発させる製法もあり、そういった場合は片栗粉のようなパウダー状の塩が出来上がります。 岩塩タイプ 岩塩の場合はもともと塩として結晶しているものを爆破して粉砕するので、その形は不定形。虫眼鏡などで見ると、バラバラなのがわかると思います。 岩塩の使い方で1つおすすめなのは、パウダータイプと少し粗めの粉砕を混ぜてみること。 これがまた口溶けに時間差を与えてくれたりするので、全体として味の余韻が長くなったりメリハリがついたりして、それぞれ単体で使う時とはまた違う楽しみが生まれますよ。 結晶の形にも着目しながら、ぜひ塩を楽しんでみてくださいね。 青山志穂セレクション 青山志穂さんのInstagramはこちら

【塩の豆知識】人も塩も見た目では判断できない

【塩の豆知識】人も塩も見た目では判断できない

こんにちは!SHIHO先生ことソルトコーディネーターの青山志穂です。 今回は、塩の結晶の大きさでよくある誤解についてお話したいと思います。 【粒が大きい=岩塩は間違い】 みなさん、イギリスのマルドンシーソルトっていう、箱に入って売っている塩をご存知ですか?薄いピラミッドかフレークの形をしていて、大きいモノだと直径1cmくらいあったりします。レストランでの使用頻度が非常に高い塩なのですが、お店の方に「これはなんの塩ですか?」と聞くと、だいたい「イギリス産の岩塩です」という答えの返ってくることが多いこと!心の中で「マルドンは海水塩だよ~イギリスでは岩塩採れないのに~」とボヤいてしまいます。実は、こんなシーンはレストランに限ったことではなく、数え切れないほどあります。 これは、「粒が大きい=岩塩」という思い込みのせい。専売制度下では、結晶が直径1mmに満たない「食塩」や「精製塩」が主流でした。釜でぐつぐつと煮詰めると、結晶同士がぶつかり合うので細かくなるんですね。いわゆる自然塩も、日本の塩は釜炊きが多いので粒が細かいものが多いので、「海水塩=粒が小さい」というイメージがあるようです。 それに比べると、岩塩はもともと山そのものが巨大な結晶みたいなものですから、砕き方によって、どんな大きさにでもコントロールできます。塊のままとか、ミル用に大きめに砕いた岩塩も多く流通しているため、「岩塩=粒が大きい」というイメージがついたようです。「粒が大きければ岩塩、粒が小さければ海水塩」という間違った認識のできあがりというわけ。 でも、海水塩も低めの温度で熱を加え続ければ、結晶はどんどん大きく成長していくんです。海外の大規模塩田では、何年もかけて育った直径1mを越える海水塩の結晶なんかもあったりします。逆に岩塩も、細かく砕けばパウダー状に近い状態にまでなります。 塩も人と同じように、見た目だけで判断しないようにしましょう! 青山志穂セレクション 青山志穂さんのInstagramはこちら

【塩の豆知識】人も塩も見た目では判断できない

こんにちは!SHIHO先生ことソルトコーディネーターの青山志穂です。 今回は、塩の結晶の大きさでよくある誤解についてお話したいと思います。 【粒が大きい=岩塩は間違い】 みなさん、イギリスのマルドンシーソルトっていう、箱に入って売っている塩をご存知ですか?薄いピラミッドかフレークの形をしていて、大きいモノだと直径1cmくらいあったりします。レストランでの使用頻度が非常に高い塩なのですが、お店の方に「これはなんの塩ですか?」と聞くと、だいたい「イギリス産の岩塩です」という答えの返ってくることが多いこと!心の中で「マルドンは海水塩だよ~イギリスでは岩塩採れないのに~」とボヤいてしまいます。実は、こんなシーンはレストランに限ったことではなく、数え切れないほどあります。 これは、「粒が大きい=岩塩」という思い込みのせい。専売制度下では、結晶が直径1mmに満たない「食塩」や「精製塩」が主流でした。釜でぐつぐつと煮詰めると、結晶同士がぶつかり合うので細かくなるんですね。いわゆる自然塩も、日本の塩は釜炊きが多いので粒が細かいものが多いので、「海水塩=粒が小さい」というイメージがあるようです。 それに比べると、岩塩はもともと山そのものが巨大な結晶みたいなものですから、砕き方によって、どんな大きさにでもコントロールできます。塊のままとか、ミル用に大きめに砕いた岩塩も多く流通しているため、「岩塩=粒が大きい」というイメージがついたようです。「粒が大きければ岩塩、粒が小さければ海水塩」という間違った認識のできあがりというわけ。 でも、海水塩も低めの温度で熱を加え続ければ、結晶はどんどん大きく成長していくんです。海外の大規模塩田では、何年もかけて育った直径1mを越える海水塩の結晶なんかもあったりします。逆に岩塩も、細かく砕けばパウダー状に近い状態にまでなります。 塩も人と同じように、見た目だけで判断しないようにしましょう! 青山志穂セレクション 青山志穂さんのInstagramはこちら

「塩を減らせば良い」は過去のこと

「塩を減らせば良い」は過去のこと

お塩に携わっていると、ほぼ毎日のように「減らした方がいいんでしょう?」と言われます。 でも皆さん、いつから「減塩」って言われるようになったかご存知でしょうか。 ナトリウムだけの塩しか作ってはいけないという法律が施行されたのが、1971〜1972年にかけて。それとほぼ同時に減塩が推奨されるようになりました。減塩醤油や減塩味噌などが発売されたのもこの頃です。 本来、塩の中には摂りすぎたナトリウムの排出を促進してくれるカリウムなどのミネラルも入っていて、私たちはそれを普通に使っていました。 でも、この法律によってナトリウムだけの塩しか作れなくなってしまった→それまでと同じように塩を使っているとナトリウムの過剰摂取が起きる→なら量を減らそう!というわけです。 生産販売が自由化され20年以上経ち、特に日本には国産のもの以外にも世界各国から多種多様な塩が輸入されるようになりました。ナトリウム以外のミネラルや貴重な微量元素を含むものもたくさんあります。でも、今でも「塩=ナトリウムだけしか入っていないもの」という認識のまま、減塩が声高に謳われているんです。 変ですよね。もう、自分に適した塩を選べる時代になったのに。 着目すべきは量ではなく質であり、塩は健康的な生命維持に欠かせないので、世界のどこかに自分に合った塩というのが必ず存在します。 みなさんも、ぜひ質に着目しながら、自分に合ったお塩を探してみませんか? 青山志穂セレクション 青山志穂さんのInstagramはこちら

「塩を減らせば良い」は過去のこと

お塩に携わっていると、ほぼ毎日のように「減らした方がいいんでしょう?」と言われます。 でも皆さん、いつから「減塩」って言われるようになったかご存知でしょうか。 ナトリウムだけの塩しか作ってはいけないという法律が施行されたのが、1971〜1972年にかけて。それとほぼ同時に減塩が推奨されるようになりました。減塩醤油や減塩味噌などが発売されたのもこの頃です。 本来、塩の中には摂りすぎたナトリウムの排出を促進してくれるカリウムなどのミネラルも入っていて、私たちはそれを普通に使っていました。 でも、この法律によってナトリウムだけの塩しか作れなくなってしまった→それまでと同じように塩を使っているとナトリウムの過剰摂取が起きる→なら量を減らそう!というわけです。 生産販売が自由化され20年以上経ち、特に日本には国産のもの以外にも世界各国から多種多様な塩が輸入されるようになりました。ナトリウム以外のミネラルや貴重な微量元素を含むものもたくさんあります。でも、今でも「塩=ナトリウムだけしか入っていないもの」という認識のまま、減塩が声高に謳われているんです。 変ですよね。もう、自分に適した塩を選べる時代になったのに。 着目すべきは量ではなく質であり、塩は健康的な生命維持に欠かせないので、世界のどこかに自分に合った塩というのが必ず存在します。 みなさんも、ぜひ質に着目しながら、自分に合ったお塩を探してみませんか? 青山志穂セレクション 青山志穂さんのInstagramはこちら

【塩の道のはじまり その2】塩沼にズボッと頭の先まで沈むまで

【塩の道のはじまり その2】塩沼にズボッと頭の先まで沈むまで

日々塩のことを勉強し続けたことで、私の頭の中は塩情報でパンパンに。でもここで問題が発生しました。私、塩のことしか知らなかったのです。消費者側からしたら、「どうやって使ったらおいしいの?」というのが知りたいところですよね。でもそれに答える術を持っていなかったんです。お客様から「この塩ってどういう塩?(何に使ったらおいしいの?)」と聞かれた時に、ひたすら生産者さんの魅力を話しまくって、ドン引きされたことは1回や2回ではありませんでした。 そんな時に運命的に出会ったのが、当時すでに地産地消で名を馳せていてたアル・ケッチァーノ(山形)の奥田政行シェフでした。塩にも造詣が深かった奥田シェフから、塩のきちんとしたテイスティングの仕方から、料理とどうやって合わせたら良いのか等を細やかに教えていただく機会に恵まれたのです。同じ肉が、塩を変えるだけで味も香りもこんなにも変わる、そしてなぜ変わるのか理由がわかる。ベストパートナーと合わせてあげることで、塩も食材もこんなに輝くのか!と。私の頭の中の知識の堤防が決壊し、「私の知識はこう使ったらいいんだ!」と、本当に目の前がぱあっと開けてキラキラして見えました。今思えば、この時に一生抜け出せない塩沼に肩までずっぽりハマってしまったように思います。ちなみに師匠(奥田シェフ)との御縁は今でも続いていて、時々コラボイベントをやらせていただいたり、シェフのお店で使う塩をセレクトさせていただいたりしています。 さて、それからというもの、日々3食、塩と料理を合わせる実験をしながら、塩の専門店の社内資格制度を構築したり、スタッフ指導をしたり、接客もしたりと充実した日々を送っていました。転機になったのは、「塩の講座をやってみないか」という外部からの依頼でした。この講座をきっかけに「塩の魅力をもっと人に伝えたい」という気持ちが強くなっていきました。社内資格制度の外部への公開などを提案してみたものの、会社としては難しいという判断だったので、「ならば自分でやろう」と、思い切って退社。半年ほどの準備期間を経て、一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会を立ち上げました。その後、細々とですが塩仲間を増やしながら活動を続け、現在に至ります。 長々と書いてしまいましたが、私が塩沼にズボッとハマった塩の魅力は大きく3つ! ・バラエティ豊か!1つ1つ味も形も違う ・塩上手は料理上手!塩で料理の味は大きく変わります ・熱い生産者さんたちが多い!人生勉強にもなる もちろんこれ以外にも、健康面でのこととか、美容面でのこととか、本当にたくさんの魅力があるのが塩の世界。それについてはおいおいご紹介していきたいと思いますので、どうぞみなさま、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 青山志穂セレクション 青山志穂さんのInstagramはこちら

【塩の道のはじまり その2】塩沼にズボッと頭の先まで沈むまで

日々塩のことを勉強し続けたことで、私の頭の中は塩情報でパンパンに。でもここで問題が発生しました。私、塩のことしか知らなかったのです。消費者側からしたら、「どうやって使ったらおいしいの?」というのが知りたいところですよね。でもそれに答える術を持っていなかったんです。お客様から「この塩ってどういう塩?(何に使ったらおいしいの?)」と聞かれた時に、ひたすら生産者さんの魅力を話しまくって、ドン引きされたことは1回や2回ではありませんでした。 そんな時に運命的に出会ったのが、当時すでに地産地消で名を馳せていてたアル・ケッチァーノ(山形)の奥田政行シェフでした。塩にも造詣が深かった奥田シェフから、塩のきちんとしたテイスティングの仕方から、料理とどうやって合わせたら良いのか等を細やかに教えていただく機会に恵まれたのです。同じ肉が、塩を変えるだけで味も香りもこんなにも変わる、そしてなぜ変わるのか理由がわかる。ベストパートナーと合わせてあげることで、塩も食材もこんなに輝くのか!と。私の頭の中の知識の堤防が決壊し、「私の知識はこう使ったらいいんだ!」と、本当に目の前がぱあっと開けてキラキラして見えました。今思えば、この時に一生抜け出せない塩沼に肩までずっぽりハマってしまったように思います。ちなみに師匠(奥田シェフ)との御縁は今でも続いていて、時々コラボイベントをやらせていただいたり、シェフのお店で使う塩をセレクトさせていただいたりしています。 さて、それからというもの、日々3食、塩と料理を合わせる実験をしながら、塩の専門店の社内資格制度を構築したり、スタッフ指導をしたり、接客もしたりと充実した日々を送っていました。転機になったのは、「塩の講座をやってみないか」という外部からの依頼でした。この講座をきっかけに「塩の魅力をもっと人に伝えたい」という気持ちが強くなっていきました。社内資格制度の外部への公開などを提案してみたものの、会社としては難しいという判断だったので、「ならば自分でやろう」と、思い切って退社。半年ほどの準備期間を経て、一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会を立ち上げました。その後、細々とですが塩仲間を増やしながら活動を続け、現在に至ります。 長々と書いてしまいましたが、私が塩沼にズボッとハマった塩の魅力は大きく3つ! ・バラエティ豊か!1つ1つ味も形も違う ・塩上手は料理上手!塩で料理の味は大きく変わります ・熱い生産者さんたちが多い!人生勉強にもなる もちろんこれ以外にも、健康面でのこととか、美容面でのこととか、本当にたくさんの魅力があるのが塩の世界。それについてはおいおいご紹介していきたいと思いますので、どうぞみなさま、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 青山志穂セレクション 青山志穂さんのInstagramはこちら

【塩の道のはじまり その1】塩と出会って塩沼に片足を突っ込むまで

【塩の道のはじまり その1】塩と出会って塩沼に片足を突っ込むまで

みなさんはじめまして。ソルトコーディネーターの青山志穂と申します。塩に出会って早17年目。世界各国の2000種類以上の塩に囲まれながら、各地の製塩所を訪ねたり、講演をしたり、シェフとコラボしたり・・・日々「塩漬け」の生活を送っています。 取材などでしょっちゅう「どうして塩にハマったの?」と聞かれるのですが、最初は本当に偶然でした。当時、東京の食品メーカーで商品開発担当として働いていて、充実しつつも心身ともに疲弊しきっていた私は、ある日「このままでは死んでしまうかも・・・そうだ!南の島でのんびり生きていこう!」と思い立ち、その勢いで会社を辞めて、沖縄県に移住しました。そして半年ほどのんびりして心身ともに元気になって、転職先を探していて出会ったのが、製塩事業と塩の専門店事業を営む会社でした。面接ですっかり社長と意気投合し、「YOU明日から来ちゃいなよ!」とジャニーさん顔負けの勢いで採用していただき、塩に関する仕事がスタートしたのでした。 塩の専門店の事業部に配属となったものの、地方の小さな会社のことです。当時はまだなにも揃っていない状態で、スタッフも塩に関してほぼ素人の状態だったので、まずは塩のデータベースを作ろうということで、塩について調べ始めました。 そしたら、塩って本当に奥が深いのです。当時で約200種類くらいの塩を扱っていたかと思いますが、1つ1つ味も形も違うし、栄養成分も違う。でもその理由を明確に述べている人がいない、という状態。そこで元々オタク気質な私のハートに火が付きました。日々塩をペロペロ舐める一方で、ひたすら塩に関する本を読みまくりました。そして、最初にズボッと塩沼に脚を突っ込むきっかけになったのが、生産者さんを訪ねたことでした。 みなさん、製塩所って行ったことありますか?ない?なかったら、もう本当にぜひ行ってみてほしい。小規模な生産者さんって、ちょっとシャイだけど、熱い想いがある&面白い人がすごく多いんです!実は塩作りって、かなり大規模にやるかよっぽどブランド化しない限り、あんまり儲からないんです。そこそこ人気のある塩でも、兼業でやっている人もすごく多い。それなのに、頑張って塩作りを続けている人たちは、なにかしら熱い想いを持っているわけです。その話がなんと面白く勉強になることか。塩のことはもちろん、生き方や人生についても。でも、このまま何年も経つと、製塩を続けていけなくなってしまう人が多くいそう、とも感じました。 こうして生産者さんを巡る内に、その熱い想いに触れて、私の中に「応援したい!!もっとこの人たちに注目が集まるようにして、日本の塩文化を活性化するんだ!!」という使命感が生まれたわけなのです。 青山志穂セレクション 青山志穂さんのInstagramはこちら

【塩の道のはじまり その1】塩と出会って塩沼に片足を突っ込むまで

みなさんはじめまして。ソルトコーディネーターの青山志穂と申します。塩に出会って早17年目。世界各国の2000種類以上の塩に囲まれながら、各地の製塩所を訪ねたり、講演をしたり、シェフとコラボしたり・・・日々「塩漬け」の生活を送っています。 取材などでしょっちゅう「どうして塩にハマったの?」と聞かれるのですが、最初は本当に偶然でした。当時、東京の食品メーカーで商品開発担当として働いていて、充実しつつも心身ともに疲弊しきっていた私は、ある日「このままでは死んでしまうかも・・・そうだ!南の島でのんびり生きていこう!」と思い立ち、その勢いで会社を辞めて、沖縄県に移住しました。そして半年ほどのんびりして心身ともに元気になって、転職先を探していて出会ったのが、製塩事業と塩の専門店事業を営む会社でした。面接ですっかり社長と意気投合し、「YOU明日から来ちゃいなよ!」とジャニーさん顔負けの勢いで採用していただき、塩に関する仕事がスタートしたのでした。 塩の専門店の事業部に配属となったものの、地方の小さな会社のことです。当時はまだなにも揃っていない状態で、スタッフも塩に関してほぼ素人の状態だったので、まずは塩のデータベースを作ろうということで、塩について調べ始めました。 そしたら、塩って本当に奥が深いのです。当時で約200種類くらいの塩を扱っていたかと思いますが、1つ1つ味も形も違うし、栄養成分も違う。でもその理由を明確に述べている人がいない、という状態。そこで元々オタク気質な私のハートに火が付きました。日々塩をペロペロ舐める一方で、ひたすら塩に関する本を読みまくりました。そして、最初にズボッと塩沼に脚を突っ込むきっかけになったのが、生産者さんを訪ねたことでした。 みなさん、製塩所って行ったことありますか?ない?なかったら、もう本当にぜひ行ってみてほしい。小規模な生産者さんって、ちょっとシャイだけど、熱い想いがある&面白い人がすごく多いんです!実は塩作りって、かなり大規模にやるかよっぽどブランド化しない限り、あんまり儲からないんです。そこそこ人気のある塩でも、兼業でやっている人もすごく多い。それなのに、頑張って塩作りを続けている人たちは、なにかしら熱い想いを持っているわけです。その話がなんと面白く勉強になることか。塩のことはもちろん、生き方や人生についても。でも、このまま何年も経つと、製塩を続けていけなくなってしまう人が多くいそう、とも感じました。 こうして生産者さんを巡る内に、その熱い想いに触れて、私の中に「応援したい!!もっとこの人たちに注目が集まるようにして、日本の塩文化を活性化するんだ!!」という使命感が生まれたわけなのです。 青山志穂セレクション 青山志穂さんのInstagramはこちら