塩水健康法について

動物と塩

動物と塩

塩の道と動物 世界各地には、塩を運ぶ道があります。アフリカ、ニジェールにはラクダに塩の塊をのせていくキャラバンがまだ存在しています。 かつて、日本でも海岸でとれた塩を山地へと運ぶ塩の道がありました。その名残をとどめる地名が各地に残されていますが・・ 瀬戸内海の塩を信州にまで運んだルートには、長野の塩尻(塩の終着点)や、愛知の足助(塩運搬のハブ)などがあり、これらは塩の道のターミナルとなっていた場所です。 塩を運ぶのに使われたのは馬よりも牛でした。 まず、牛のほうが重たい荷物を運ぶのに適していたということもありますが、牛は道端の草を餌にしてくれるため、餌代の心配をしなくて良く、コスパに優れていました。 目的地まで着けば売りさばいて帰りの路銀に変えることができたのです。 山中、塩を運ぶのには危険も伴いました。オオカミや熊などの獣の心配があったからです。 夜は獣の襲撃を避けるため、牛たちを、円陣を組むように寝かせてその真ん中に火をおこしました。 運搬人たちはその円の中で、牛にもたれて寝るという塩梅です。牛の体温と火があれば結構快適だったかもしれません。 山に入る猟師に御法度とされたのが道端での立ち小便でした。 小便に含まれる塩を嗅ぎ付けてオオカミや獣たちがこれを舐めにくるため、猟師達は小便を竹筒にいれて持ち帰ったり、普段は通らない山中に捨てたそうです。 山中に棲息する獣にとっても塩は欠かせない大好物で、カモシカなどは土中に含まれるミネラル成分をとるために、急斜面の山肌を一心不乱に舐めるのです。 動物にとっても大切な塩 玄関に塩を盛る「盛り塩」も由来は牛にあるとも言われています。それは中国の故事によるもので、中国の大奥にあたる場所で、皇帝の乗る牛車の牛が塩をなめるために立ち止まり、その塩を玄関先に置いた女性が皇帝の寵愛を受けることになったという話です。 【塩をなめる牛 出典 https://www.youtube.com/watch?v=hKCTwzpVqaY】 中央アジア近辺の遊牧民にとっても、塩を羊に与える事は羊を管理する上で大変重要でした。 特にカリウムを含む植物を食む草食動物にとって塩・ナトリウムは必要不可欠なのです。 遊牧民達も岩塩を羊に与えましたが、これをしないと羊の解体が難しくなり、毛並も悪くなることを彼らはよく知っていたのです。塩を与えない羊は毛並みが悪く、解体する時に肩甲骨がすぐに砕けてしまうため、十分な肉を得ることもできませんでした。 これを人間に置き換えれば、塩をとらないことがどういった事を招くか想像することができると思います。 ちなみに肉食動物たちは、肉にふくまれるナトリウムを新鮮な形で摂取しているのであまり塩を必要とはしません。つまり草食動物の血液をすすることでそこからナトリウムをとりいれているのです。血の味は塩っぱい。その塩が肉食獣の食欲をそそるのです。 血をもとめるドラキュラ伝説発祥の地であるルーマニアでも塩は貴重品でした。 食欲や性欲にナトリウムはかなり大きなウェイトをしめており、ナトリウムは精力剤ともいえるものです。 現代人はナトリウムを多く含んだ肉と脂の多食に、更に精製塩を加えて食事をすることが多くなりました。こうなると、体内のバランスはナトリウム過多となって高血圧の原因になります。肉は野菜と一緒に食べなさい。というのは、実はナトリウムとカリウムのバランスをとりなさいという話でもあるのです。 動物と塩には密接な関係があり、人間もその輪の中で生きていることを忘れてはならないようです。  

動物と塩

塩の道と動物 世界各地には、塩を運ぶ道があります。アフリカ、ニジェールにはラクダに塩の塊をのせていくキャラバンがまだ存在しています。 かつて、日本でも海岸でとれた塩を山地へと運ぶ塩の道がありました。その名残をとどめる地名が各地に残されていますが・・ 瀬戸内海の塩を信州にまで運んだルートには、長野の塩尻(塩の終着点)や、愛知の足助(塩運搬のハブ)などがあり、これらは塩の道のターミナルとなっていた場所です。 塩を運ぶのに使われたのは馬よりも牛でした。 まず、牛のほうが重たい荷物を運ぶのに適していたということもありますが、牛は道端の草を餌にしてくれるため、餌代の心配をしなくて良く、コスパに優れていました。 目的地まで着けば売りさばいて帰りの路銀に変えることができたのです。 山中、塩を運ぶのには危険も伴いました。オオカミや熊などの獣の心配があったからです。 夜は獣の襲撃を避けるため、牛たちを、円陣を組むように寝かせてその真ん中に火をおこしました。 運搬人たちはその円の中で、牛にもたれて寝るという塩梅です。牛の体温と火があれば結構快適だったかもしれません。 山に入る猟師に御法度とされたのが道端での立ち小便でした。 小便に含まれる塩を嗅ぎ付けてオオカミや獣たちがこれを舐めにくるため、猟師達は小便を竹筒にいれて持ち帰ったり、普段は通らない山中に捨てたそうです。 山中に棲息する獣にとっても塩は欠かせない大好物で、カモシカなどは土中に含まれるミネラル成分をとるために、急斜面の山肌を一心不乱に舐めるのです。 動物にとっても大切な塩 玄関に塩を盛る「盛り塩」も由来は牛にあるとも言われています。それは中国の故事によるもので、中国の大奥にあたる場所で、皇帝の乗る牛車の牛が塩をなめるために立ち止まり、その塩を玄関先に置いた女性が皇帝の寵愛を受けることになったという話です。 【塩をなめる牛 出典 https://www.youtube.com/watch?v=hKCTwzpVqaY】 中央アジア近辺の遊牧民にとっても、塩を羊に与える事は羊を管理する上で大変重要でした。 特にカリウムを含む植物を食む草食動物にとって塩・ナトリウムは必要不可欠なのです。 遊牧民達も岩塩を羊に与えましたが、これをしないと羊の解体が難しくなり、毛並も悪くなることを彼らはよく知っていたのです。塩を与えない羊は毛並みが悪く、解体する時に肩甲骨がすぐに砕けてしまうため、十分な肉を得ることもできませんでした。 これを人間に置き換えれば、塩をとらないことがどういった事を招くか想像することができると思います。 ちなみに肉食動物たちは、肉にふくまれるナトリウムを新鮮な形で摂取しているのであまり塩を必要とはしません。つまり草食動物の血液をすすることでそこからナトリウムをとりいれているのです。血の味は塩っぱい。その塩が肉食獣の食欲をそそるのです。 血をもとめるドラキュラ伝説発祥の地であるルーマニアでも塩は貴重品でした。 食欲や性欲にナトリウムはかなり大きなウェイトをしめており、ナトリウムは精力剤ともいえるものです。 現代人はナトリウムを多く含んだ肉と脂の多食に、更に精製塩を加えて食事をすることが多くなりました。こうなると、体内のバランスはナトリウム過多となって高血圧の原因になります。肉は野菜と一緒に食べなさい。というのは、実はナトリウムとカリウムのバランスをとりなさいという話でもあるのです。 動物と塩には密接な関係があり、人間もその輪の中で生きていることを忘れてはならないようです。  

朝の塩の効用

朝の塩の効用

目覚めたら・・・塩水 だんだんと熱中症の心配な季節です。朝にミネラルを含んだ塩水を一杯飲むのをおすすめします。喉が乾いてからの水分補給も大切ですが、朝、体に塩水の蓄えをしておくことで熱中症のリスクを低くすることができます。 私の1日は、この塩水を1杯飲むところから始まりますが、その後もお塩を使った朝の身繕いが続きます。 まず、洗面所に常備しているお塩を指につけて、歯磨き、歯茎磨き。歯のほうはこのあと歯ブラシを使って磨きますが、イメージとしては歯茎にお塩をしみ込ませるような感じです。歯槽膿漏、歯周病の予防になると思います。 【洗面所に常備するお塩】 お次は、お塩を水に溶かしてこれで洗顔です。これで肌のカサカサはなくなります。 お塩で洗顔したあとは、軽くお水で洗いながすように。そのままだとちょっと、つっぱるような感じになります。 ぬるま湯でやるほうが良いと思いますが、今の時期は面倒なので、そのまま水でやっています。 【お水で溶かしたお塩、使うのはミネラルを含んだ天然塩がおすすめ】  このあとは塩うがい、お塩を溶かした塩水に目をつけてパチパチやります。これは花粉の飛ぶ春には特に有効です。 マイソルト携帯をお勧めします 山奥に入り、断食をする修行僧も、ヒマラヤ山脈の登山者をサポートするシェルパも、お塩だけは身につけているそうです。山の中には湧き水や雪から「水」を得る事ができますが、塩を調達するのは至難だからです。 日本でもこのところ、お塩をいつも持ち歩く、マイソルト愛好者が増えているようで、当店のオリジナル・ソルトケースもおかげさまで大好評です。防災グッズやアウトドア用にも、マイソルトを1個もっているだけで何かあった時の備えになります。お水とお塩さえあれば、なんとか体を動かすことができるからです。 【オリジナルのソルトケース】   昨日は過ごしやすく涼しい横浜でしたが、今日から暑くなりそうです。皆様も熱中症にはくれぐれもお気をつけください。

朝の塩の効用

目覚めたら・・・塩水 だんだんと熱中症の心配な季節です。朝にミネラルを含んだ塩水を一杯飲むのをおすすめします。喉が乾いてからの水分補給も大切ですが、朝、体に塩水の蓄えをしておくことで熱中症のリスクを低くすることができます。 私の1日は、この塩水を1杯飲むところから始まりますが、その後もお塩を使った朝の身繕いが続きます。 まず、洗面所に常備しているお塩を指につけて、歯磨き、歯茎磨き。歯のほうはこのあと歯ブラシを使って磨きますが、イメージとしては歯茎にお塩をしみ込ませるような感じです。歯槽膿漏、歯周病の予防になると思います。 【洗面所に常備するお塩】 お次は、お塩を水に溶かしてこれで洗顔です。これで肌のカサカサはなくなります。 お塩で洗顔したあとは、軽くお水で洗いながすように。そのままだとちょっと、つっぱるような感じになります。 ぬるま湯でやるほうが良いと思いますが、今の時期は面倒なので、そのまま水でやっています。 【お水で溶かしたお塩、使うのはミネラルを含んだ天然塩がおすすめ】  このあとは塩うがい、お塩を溶かした塩水に目をつけてパチパチやります。これは花粉の飛ぶ春には特に有効です。 マイソルト携帯をお勧めします 山奥に入り、断食をする修行僧も、ヒマラヤ山脈の登山者をサポートするシェルパも、お塩だけは身につけているそうです。山の中には湧き水や雪から「水」を得る事ができますが、塩を調達するのは至難だからです。 日本でもこのところ、お塩をいつも持ち歩く、マイソルト愛好者が増えているようで、当店のオリジナル・ソルトケースもおかげさまで大好評です。防災グッズやアウトドア用にも、マイソルトを1個もっているだけで何かあった時の備えになります。お水とお塩さえあれば、なんとか体を動かすことができるからです。 【オリジナルのソルトケース】   昨日は過ごしやすく涼しい横浜でしたが、今日から暑くなりそうです。皆様も熱中症にはくれぐれもお気をつけください。

精製塩には遊びとゆとりがないのです!

精製塩には遊びとゆとりがないのです!

塩の析出とは 「析出(せきしゅつ)」とは、固体以外にある物質が固体となって現れてくることです。 お塩であれば塩水からお塩の結晶が出現してくること。 海水には様々なミネラルが含まれており、塩分濃度が濃くなるにつれて決まった順番で中にあるミネラルが固体化(析出)されます。 例えば海水を天日に干した様子を想像してみてください。海水が蒸発して、まず現れるのは一番水に溶けにくいカルシウム分です。塩分濃度20%くらいまではこの状態が続き、他のミネラルはまだ海水の中に液体として存在しています。この時最初にあらわれるカルシウムの味は淡いエグミがするものです。 濃縮がすすみ、25%のところになるといよいよ主役登場!ナトリウムが姿を現し、続いて27%になるとナトリウムと同時にカリウム、とマグネシウムが析出されるようになります。   この状態をキープすると苦味のもとであるマグネシウムがだんだん強くなり、マグネシウムを含みすぎると食用には適さなくなるため、だいたい濃度30%くらいのところで析出された「塩」を切ります。そして、残されたものが「苦汁(にがり)」というわけです。にがりはマグネシウムを多く含んでいるため、文字のごとく大変苦い液体です。 この切り上げ加減が塩生産者の腕の見せ所です。ミネラルにはそれぞれ特徴となる味があり、マグネシウムが苦味なら、ナトリウムがしょっぱ味であり、カルシウムが軽いエグミ、カリウムが酸味になります。このバランスをどうとるかに気を配り、塩づくりが行われています。 太陽熱と風の力だけで海水が自然に塩の結晶になったものを「天日塩」と言いますが、まったく人が手をつけずにできた天日塩というのは、できたてはこのマグネシウム含有量が多いために苦く、食用には適しません。 では、どうするかというと出来上がったお塩をさらに天日にさらして、マグネシウムを抜かなければなりません。 塩の苦汁抜き 江戸時代ごろのお塩はこのマグネシウムがたっぷりと入ったものだったので、塩俵は湿っていたそうです。こういったお塩は安く、庶民が使うものでしたが、このままでは味がよくないので、買ってきたお塩はザルやサラシに入れて、宙に浮かせて、苦汁分(マグネシウム)を抜いてから使いました。 【出展 塩の道 宮本常一 講談社学術文庫】   対して江戸時代のセレブたちが口にしたのは、「2年塩、3年塩」とよばれる、今で言うなら「熟成させたお塩」でした。苦汁分を抜く作業を製塩業では「枯らす」と表現しますが、十分に「枯らした」お塩ほど苦味がよくぬけているというわけです。 じゃあ、そんな苦味(マグネシウム)なんか全部とっちまいなよ!という声が聞こえてきそうですが、ほんのり苦味があるとこれが逆に甘味をもたらたすという効果があるため、僅かなマグネシウムは含まれていたほうが良いのです。 不純物を取り除いて、綺麗な形に研ぎすますということは「良い」事のように思われますが、遊びがなくて、かえって残念だったというケースはまま人生においてもあります。 お塩についてもそれは言えて、ナトリウム100%の精製塩はしょっぱいだけで美味しくないのです。単一物質では本当に味わいのあるものはできない、苦味も酸味もエグミもあってはじめて豊かな味わいが生まれます。人生もお塩も、ほどよく遊びとゆとりがあったほうが良さそうです。

精製塩には遊びとゆとりがないのです!

塩の析出とは 「析出(せきしゅつ)」とは、固体以外にある物質が固体となって現れてくることです。 お塩であれば塩水からお塩の結晶が出現してくること。 海水には様々なミネラルが含まれており、塩分濃度が濃くなるにつれて決まった順番で中にあるミネラルが固体化(析出)されます。 例えば海水を天日に干した様子を想像してみてください。海水が蒸発して、まず現れるのは一番水に溶けにくいカルシウム分です。塩分濃度20%くらいまではこの状態が続き、他のミネラルはまだ海水の中に液体として存在しています。この時最初にあらわれるカルシウムの味は淡いエグミがするものです。 濃縮がすすみ、25%のところになるといよいよ主役登場!ナトリウムが姿を現し、続いて27%になるとナトリウムと同時にカリウム、とマグネシウムが析出されるようになります。   この状態をキープすると苦味のもとであるマグネシウムがだんだん強くなり、マグネシウムを含みすぎると食用には適さなくなるため、だいたい濃度30%くらいのところで析出された「塩」を切ります。そして、残されたものが「苦汁(にがり)」というわけです。にがりはマグネシウムを多く含んでいるため、文字のごとく大変苦い液体です。 この切り上げ加減が塩生産者の腕の見せ所です。ミネラルにはそれぞれ特徴となる味があり、マグネシウムが苦味なら、ナトリウムがしょっぱ味であり、カルシウムが軽いエグミ、カリウムが酸味になります。このバランスをどうとるかに気を配り、塩づくりが行われています。 太陽熱と風の力だけで海水が自然に塩の結晶になったものを「天日塩」と言いますが、まったく人が手をつけずにできた天日塩というのは、できたてはこのマグネシウム含有量が多いために苦く、食用には適しません。 では、どうするかというと出来上がったお塩をさらに天日にさらして、マグネシウムを抜かなければなりません。 塩の苦汁抜き 江戸時代ごろのお塩はこのマグネシウムがたっぷりと入ったものだったので、塩俵は湿っていたそうです。こういったお塩は安く、庶民が使うものでしたが、このままでは味がよくないので、買ってきたお塩はザルやサラシに入れて、宙に浮かせて、苦汁分(マグネシウム)を抜いてから使いました。 【出展 塩の道 宮本常一 講談社学術文庫】   対して江戸時代のセレブたちが口にしたのは、「2年塩、3年塩」とよばれる、今で言うなら「熟成させたお塩」でした。苦汁分を抜く作業を製塩業では「枯らす」と表現しますが、十分に「枯らした」お塩ほど苦味がよくぬけているというわけです。 じゃあ、そんな苦味(マグネシウム)なんか全部とっちまいなよ!という声が聞こえてきそうですが、ほんのり苦味があるとこれが逆に甘味をもたらたすという効果があるため、僅かなマグネシウムは含まれていたほうが良いのです。 不純物を取り除いて、綺麗な形に研ぎすますということは「良い」事のように思われますが、遊びがなくて、かえって残念だったというケースはまま人生においてもあります。 お塩についてもそれは言えて、ナトリウム100%の精製塩はしょっぱいだけで美味しくないのです。単一物質では本当に味わいのあるものはできない、苦味も酸味もエグミもあってはじめて豊かな味わいが生まれます。人生もお塩も、ほどよく遊びとゆとりがあったほうが良さそうです。

どちらも正しい塩論議

どちらも正しい塩論議

「塩の世界史 マーク・カーランスキー著」より引用 塩に関する見解は二つの陣営に分かれている。一つは、健康にあることに情熱を燃やし、塩の摂取を控えるタイプ、もうひとつは、塩に熱中するタイプだ。古代から、塩が体に良いと考える人間と、体に悪いと考える人間のあいだで論争が戦わされてきた。両者とも正しいのだろう。 体が塩を必要とすることには議論の余地がないが、多くの研究から、高血圧や心臓血管の異常と大量の塩分摂取の相関関係は示唆されている。紀元1世紀ないし2世紀ごろ編纂された中国の医学書「皇帝内経」は、塩は高血圧をもたらす可能性があり、さらには心臓発作を引き起こしかねないと忠告している。 逆に、塩の欠乏は低血圧の原因とされる。だが、大量の塩分摂取と高血圧の関係を否定するような研究結果もある。なかには減塩の食事は不健康であると指摘する研究者もいる。 腎臓がナトリウムを過剰に貯蔵することになるし、理論上は、健康な腎臓の持ち主なら過剰な塩分を摂取しても害を受ける事はない。発汗と利尿により、人体は過剰な塩分を排出するようにできている。問題はナトリウムとカリウムのバランスである。バランス機能が欠けている場合、カリウムが豊富な野菜の摂取を調節したくらいでは、ナトリウムの豊富な塩との問題は解決されないのだ。(続く) 欧米では、ベストセラーとなったこの「塩の世界史」の著者・マーク・カーランスキー氏は世界のありとあらゆる塩の歴史由来、製法を調査した塩のオーソリティーです。 私は二つの陣営中では「塩に熱中する」派に属しているわけですが、この著書には、「塩に熱中する派」が陥りやすい失敗についてもいろいろと書かれています。 例えば、昔は見向きもされなかった不衛生で不純物の多い塩が高値で取引される現代のグルメについては、皮肉をこめて書いています。 著作の最後は、『地球上で最も入手しやすい物質「塩」の真価を定めるのが容易であったことは、いまだかつて一度もないのである。』という言葉で閉められており、時代の経済状態、ライフスタイル、国民の健康度によって、塩のトレンドが変化してきたことがわかります。 カリウム・ナトリウムポンプ マーク・カーランスキー氏が指摘した「カリウムとナトリウムのバランス」については、私たちの体内で、細胞が人知れず働いてくれているという事実があります。 それが「カリウム・ナトリウムポンプ」という機能です。細胞内と外では、存在するカリウムイオンとナトリウムイオンの数が違います。つまり互いの濃度が異なります。 ナトリウム濃度は細胞外のほうが高いので、ナトリウムは細胞内に入り込みます。このままにしておくと細胞内外の電位差がなくなり、心臓や神経が動かなくなるので、細胞はこの逆の動き、入ってきたナトリウムを外にくみ出す作業をしています。この濃度差に逆らってミネラルを輸送するためにATPエネルギーが使われており、これを「能動輸送」と呼びます。 このカリウム・ナトリウムポンプをスムーズに、あまり忙しくもなく、かといって休ませることなく稼働させる必要があるのです。 過剰な大量摂取も極端な減塩も、ポンプを動かす機能にストレスを与えます。 あくまでも中庸に、適塩(てきえん)を心がけることが細胞を活性化させていく近道なのです。  

どちらも正しい塩論議

「塩の世界史 マーク・カーランスキー著」より引用 塩に関する見解は二つの陣営に分かれている。一つは、健康にあることに情熱を燃やし、塩の摂取を控えるタイプ、もうひとつは、塩に熱中するタイプだ。古代から、塩が体に良いと考える人間と、体に悪いと考える人間のあいだで論争が戦わされてきた。両者とも正しいのだろう。 体が塩を必要とすることには議論の余地がないが、多くの研究から、高血圧や心臓血管の異常と大量の塩分摂取の相関関係は示唆されている。紀元1世紀ないし2世紀ごろ編纂された中国の医学書「皇帝内経」は、塩は高血圧をもたらす可能性があり、さらには心臓発作を引き起こしかねないと忠告している。 逆に、塩の欠乏は低血圧の原因とされる。だが、大量の塩分摂取と高血圧の関係を否定するような研究結果もある。なかには減塩の食事は不健康であると指摘する研究者もいる。 腎臓がナトリウムを過剰に貯蔵することになるし、理論上は、健康な腎臓の持ち主なら過剰な塩分を摂取しても害を受ける事はない。発汗と利尿により、人体は過剰な塩分を排出するようにできている。問題はナトリウムとカリウムのバランスである。バランス機能が欠けている場合、カリウムが豊富な野菜の摂取を調節したくらいでは、ナトリウムの豊富な塩との問題は解決されないのだ。(続く) 欧米では、ベストセラーとなったこの「塩の世界史」の著者・マーク・カーランスキー氏は世界のありとあらゆる塩の歴史由来、製法を調査した塩のオーソリティーです。 私は二つの陣営中では「塩に熱中する」派に属しているわけですが、この著書には、「塩に熱中する派」が陥りやすい失敗についてもいろいろと書かれています。 例えば、昔は見向きもされなかった不衛生で不純物の多い塩が高値で取引される現代のグルメについては、皮肉をこめて書いています。 著作の最後は、『地球上で最も入手しやすい物質「塩」の真価を定めるのが容易であったことは、いまだかつて一度もないのである。』という言葉で閉められており、時代の経済状態、ライフスタイル、国民の健康度によって、塩のトレンドが変化してきたことがわかります。 カリウム・ナトリウムポンプ マーク・カーランスキー氏が指摘した「カリウムとナトリウムのバランス」については、私たちの体内で、細胞が人知れず働いてくれているという事実があります。 それが「カリウム・ナトリウムポンプ」という機能です。細胞内と外では、存在するカリウムイオンとナトリウムイオンの数が違います。つまり互いの濃度が異なります。 ナトリウム濃度は細胞外のほうが高いので、ナトリウムは細胞内に入り込みます。このままにしておくと細胞内外の電位差がなくなり、心臓や神経が動かなくなるので、細胞はこの逆の動き、入ってきたナトリウムを外にくみ出す作業をしています。この濃度差に逆らってミネラルを輸送するためにATPエネルギーが使われており、これを「能動輸送」と呼びます。 このカリウム・ナトリウムポンプをスムーズに、あまり忙しくもなく、かといって休ませることなく稼働させる必要があるのです。 過剰な大量摂取も極端な減塩も、ポンプを動かす機能にストレスを与えます。 あくまでも中庸に、適塩(てきえん)を心がけることが細胞を活性化させていく近道なのです。  

シーズニングソルトとは

シーズニングソルトとは

Seasoningとは シーズニングとは、英語の「Seasoning」であり、その意味は調味料。塩・砂糖といった基本調味料から、香辛料、薬味、ソース類など広範囲のものまでも総称したものです。 Seasoningに由来する言葉としてSeason(シーズン・季節)があり、Seasonはseed(種)sow(種をまく)と関係が深く、「種をまく季節」という意味から生まれた言葉です。 Seasonは「味をつける」という意味の動詞としても用いられる他、「慣らす」「適応している」「乾燥させる」としても使われ、形容詞のSeasonedは「経験豊富」となります。 「シーズニング・ソルト」とは調味料塩のことであり、お塩をベースに各種のハーブやスパイスをブレンドした「ブレンドソルト」と捉えてよいと思います。 シーズニングソルトとして有名なのがアメリカの主婦が考案したという「クレイジーソルト」ですが、様々なハーブとスパイスがミックスされたこのお塩は世界的大ヒット商品になりました。考案したのは60歳をすぎたジェーンおばさん。ジェーンおばさんの「私のように60歳で新しく事業を始めれば、年齢なんて重要ではないと気づくだろう」という言葉には勇気づけられます。シーズニングソルトやオリジナルソースには一攫千金の夢があるのです。 食欲を刺激するシーズニングソルト 当店では、クレイジーソルトの取扱いをしていませんが、独自のシーズニングソルトを小豆島の老舗の醤油屋さんに調合して作っていただいています。それがクリスタル岩塩をベースにした「オリーブハーブソルト」ですが、これには小豆島産のオリーブの葉の粉末が各種スパイスとともに配合されています。 お料理教室などでは大好評で、うちでも家庭料理に一味くわえるオリーブハーブソルトは欠かせないSeasoningです。 最近、知った沖縄の島唐辛子と沖縄産の海塩をブレンドした「島ネロ塩」もシーズニングソルトの一種です。沖縄の島唐辛子の辛味の中に感じる旨味がよくいかされており、今迄にない個性的なシーズニングソルトの誕生です。 【島ネロ塩 生産者:島ネロ研究所+高江洲製塩所】   最近では、ナッツを入れこんだものがあり、とても美味しいのですが、もはや、それは調味料なのか、食材なのか、という領域までシーズニングソルトは進化しているようです。 【三角屋水産 ローストナッツ&スパイス】 暑くなると食欲が衰えますが、シーズニングソルトを使い趣向を変えることで、食欲が刺激されます。 夏になると美味しく感じる山椒やワサビ、こういった和風の食材を使ったシーズニングソルトも今後注目されるのではないでしょうか。 山椒やワサビの生産者、加工者様でベースの岩塩をお探しの方がいらっしゃいましたら、是非当店にお声掛け、宜しくお願いいたします。

シーズニングソルトとは

Seasoningとは シーズニングとは、英語の「Seasoning」であり、その意味は調味料。塩・砂糖といった基本調味料から、香辛料、薬味、ソース類など広範囲のものまでも総称したものです。 Seasoningに由来する言葉としてSeason(シーズン・季節)があり、Seasonはseed(種)sow(種をまく)と関係が深く、「種をまく季節」という意味から生まれた言葉です。 Seasonは「味をつける」という意味の動詞としても用いられる他、「慣らす」「適応している」「乾燥させる」としても使われ、形容詞のSeasonedは「経験豊富」となります。 「シーズニング・ソルト」とは調味料塩のことであり、お塩をベースに各種のハーブやスパイスをブレンドした「ブレンドソルト」と捉えてよいと思います。 シーズニングソルトとして有名なのがアメリカの主婦が考案したという「クレイジーソルト」ですが、様々なハーブとスパイスがミックスされたこのお塩は世界的大ヒット商品になりました。考案したのは60歳をすぎたジェーンおばさん。ジェーンおばさんの「私のように60歳で新しく事業を始めれば、年齢なんて重要ではないと気づくだろう」という言葉には勇気づけられます。シーズニングソルトやオリジナルソースには一攫千金の夢があるのです。 食欲を刺激するシーズニングソルト 当店では、クレイジーソルトの取扱いをしていませんが、独自のシーズニングソルトを小豆島の老舗の醤油屋さんに調合して作っていただいています。それがクリスタル岩塩をベースにした「オリーブハーブソルト」ですが、これには小豆島産のオリーブの葉の粉末が各種スパイスとともに配合されています。 お料理教室などでは大好評で、うちでも家庭料理に一味くわえるオリーブハーブソルトは欠かせないSeasoningです。 最近、知った沖縄の島唐辛子と沖縄産の海塩をブレンドした「島ネロ塩」もシーズニングソルトの一種です。沖縄の島唐辛子の辛味の中に感じる旨味がよくいかされており、今迄にない個性的なシーズニングソルトの誕生です。 【島ネロ塩 生産者:島ネロ研究所+高江洲製塩所】   最近では、ナッツを入れこんだものがあり、とても美味しいのですが、もはや、それは調味料なのか、食材なのか、という領域までシーズニングソルトは進化しているようです。 【三角屋水産 ローストナッツ&スパイス】 暑くなると食欲が衰えますが、シーズニングソルトを使い趣向を変えることで、食欲が刺激されます。 夏になると美味しく感じる山椒やワサビ、こういった和風の食材を使ったシーズニングソルトも今後注目されるのではないでしょうか。 山椒やワサビの生産者、加工者様でベースの岩塩をお探しの方がいらっしゃいましたら、是非当店にお声掛け、宜しくお願いいたします。

土佐の塩丸、見参!!

土佐の塩丸、見参!!

高知の風と太陽に愛された天日塩 ヒマラヤ岩塩クリスタルソルトを独自ブランドとして展開しながら、こだわりの塩専門店としてのラインナップを増やしていくのが今期の源気商會の目標です。 その第1弾として、土佐の海で作られている完全天日塩・「土佐の塩丸」を扱わせていただくことになりました。 こちらのお塩は、高知の吉田さんご家族が作っている、本当に手作りのお塩なんですが、吉田さんご自身は自分を塩職人と思ったことはなく、自分は塩のおもりをする「塩守り(しおもり)」だとしています。 塩守りという言葉の響き、その意味に惚れてしまいました。また、その意とすることは塩に余分な手を加えていないという事でもあります。高知の風と太陽が作った完全天日塩。それが「土佐の塩丸」です。 塩守りが見守り育てた塩 吉田さんが、塩作りをはじめたのは塩の自由化がはじまるはるか前、その当時、日本で精製塩以外のお塩をつくっているところは5、6カ所しかなかったそうです。その塩作りの道のりは決して平坦ではなかったと想像されますが、今はご子息の拓丸さんが2代目となり、全国から注文がくる人気ブランドとなっています。 青い清新なイメージのパッケージは、2代目が考案されたということで、その清潔感あふれる印象に、若者のエネルギーを感じ、このお塩はきっとよいお塩だろうと思っておりました。   お塩の印象は、程よい苦味が甘味をいかす、海塩の王道をいくようなお塩です。 お塩のバックスストーリーは、その塩それぞれ。 これからも少しづつ個性的なお塩をラインナップしていきます。 ★本日の商品紹介★ 土佐の塩丸 200g

土佐の塩丸、見参!!

高知の風と太陽に愛された天日塩 ヒマラヤ岩塩クリスタルソルトを独自ブランドとして展開しながら、こだわりの塩専門店としてのラインナップを増やしていくのが今期の源気商會の目標です。 その第1弾として、土佐の海で作られている完全天日塩・「土佐の塩丸」を扱わせていただくことになりました。 こちらのお塩は、高知の吉田さんご家族が作っている、本当に手作りのお塩なんですが、吉田さんご自身は自分を塩職人と思ったことはなく、自分は塩のおもりをする「塩守り(しおもり)」だとしています。 塩守りという言葉の響き、その意味に惚れてしまいました。また、その意とすることは塩に余分な手を加えていないという事でもあります。高知の風と太陽が作った完全天日塩。それが「土佐の塩丸」です。 塩守りが見守り育てた塩 吉田さんが、塩作りをはじめたのは塩の自由化がはじまるはるか前、その当時、日本で精製塩以外のお塩をつくっているところは5、6カ所しかなかったそうです。その塩作りの道のりは決して平坦ではなかったと想像されますが、今はご子息の拓丸さんが2代目となり、全国から注文がくる人気ブランドとなっています。 青い清新なイメージのパッケージは、2代目が考案されたということで、その清潔感あふれる印象に、若者のエネルギーを感じ、このお塩はきっとよいお塩だろうと思っておりました。   お塩の印象は、程よい苦味が甘味をいかす、海塩の王道をいくようなお塩です。 お塩のバックスストーリーは、その塩それぞれ。 これからも少しづつ個性的なお塩をラインナップしていきます。 ★本日の商品紹介★ 土佐の塩丸 200g